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  • 今後のドル円相場
    岩間 大祐
    この記事の著者
    DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

    大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。

    外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。

    国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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    ドル円の週足分析

    下図のチャートはドル円の週足チャートになります。長期視点では2021年1月安値を始点する上昇トレンドが継続中です(チャート上の黄色実線)。また、昨年10月高値を始点とする下降トレンド(青色実線)、今年1月安値を始点とする短期の上昇トレンド(黄色点線)が現在は機能しています。なお、昨年10月高値を始点とする急角度の下降トレンド(青色点線)は今年に入って上方向にブレイクしました。

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    さらに今回は「DMI」でも見ていきましょう。現状では-DIの数値が+DIより大きいため、下降トレンドになっています。もっとも、足もとではADXが急速に低下。ADXはトレンドの強さを表しているため、まとめると現状は「下降トレンドだが、トレンドの勢いが失われつつある状態」と言えそうです。

    ドル円の日足分析

    今度は日足でも見ていきましょう(下図のチャート)。週足でも確認できましたが、昨年10月からの下降トレンドは1月16日につけた127.23円で一服。この水準が現時点での年初来安値です。その後の反発は3月8日につけた137.91円まで。3月24日に再度129.64円まで下押すも、130.00円割れ水準で下げ止まった格好です。

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    週足のDMIで「トレンドの勢いが失われつつある」ことがうかがえましたので、日足では「RSI」も確認してみます。RSIは現時点(4月3日執筆時点)で51台。中立水準にあり、現状では短期的に見ても「買われ過ぎ」でも「売られ過ぎ」でもないようです

    今後の展望は

    材料が出揃いましたので、今後を展望していきましょう。初回から明確なトレンドのない状況となりましたが、基本的には複数のシナリオを立てて、その後は想定通りに相場が進んでいるかを確認、想定から外れた場合はシナリオの修正をしていく、この繰り返しです。今回の場合は以下の通り。

    (1)昨年10月高値を始点とした下降トレンドの予想

    昨年10月高値を始点とする下降トレンド(青色実線)維持が前提となります。下降トレンドは今月135円台前半から132円台後半へと切り下がっていきますので、同線を目処にした戻り売り戦略です。ただ、「ダマシ」にひっかからないように、下降トレンドの継続・ブレイクの判断は慎重に。

    (2)年初来安値を始点とした上昇トレンド予想

    今年1月安値を始点とする短期の上昇トレンド(黄色点線)の維持が前提。上昇トレンドは今月129円台後半から130円台後半へと切り上がっていきますので、同線を目処にした押し目買い戦略です。

    (3)保ち合い局面予想

    前述したように「DMI」でトレンドの減衰が示唆されているため、これがメイン予想になるかもしれません。(1)と(2)の両方を利用した複合予想です。(1)の下降トレンドを基に戻り売り、(2)の上昇トレンドを基に押し目買いを入れ、(1)の下降トレンドか(2)の上昇トレンドのどちらかをブレイクするまで、両にらみの体制で待つことになります。なお、戻り売りや押し目買いを入れる際には「RSI」を利用して、短期的な状況も確認しておきましょう。

    最後に今後の重要イベントも確認しておきます。以前にもお話したようにチャート分析をする場合でも、需要イベントは常に覚えている必要があります。知っていれば避けられるリスクであり、今回のドル円の場合ですとチャートブレイクのきっかけになるかもしれません。

    最大の注目は4月27-28日の日銀金融政策決定会合でしょう。植田新総裁就任後の初会合となり、日銀の政策が大きく変化する可能性もありそうです。その他のイベントは以下の通りです。

    今後1カ月の重要イベント

    4月7日 米国 3月米雇用統計

    4月12日 米国 3月消費者物価指数(CPI)

    4月27-28日 日本 日銀金融政策決定会合(28日の会合後には植田新総裁の記者会見)

    4月28日 米国 3月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)

    5月2-3日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC、3日の会合後にはパウエルFRB議長の記者会見)

    5月5日 米国 4月米雇用統計

    本記事は2023年4月5日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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