
目次
はじめに
次世代航空機用エンジン「LEAP」に搭載される低圧タービン用チタンアルミブレードを輸出しているAeroEdge株式会社。
輸出が事業の大半を占める企業にとって、1円の為替変動が大きく売上利益に影響を及ぼす中、どのようにトレーダムを活用いただいているのか、CFOの今西様にお話しを伺いました。

トレーダムを活用することで、判断が難しい為替予約を、明確な数値に従いできるように。シンプルなデザインにも使いやすさを実感
ー 航空部品等を輸出されているとのことですが、改めてどのようなものを輸出されていますか?
ボーイングやエアバスなどに搭載される次世代航空機エンジン「LEAP」の低圧タービンに使われている、「チタンアルミブレード」を輸出しています。このチタンアルミブレードを加工している企業は世界で2社のみであり、その1社が当社となります。
ー 通貨はドル円でトレーダム為替ソリューション(以下トレーダム)をご利用いただいていますが、輸出先はどちらでしょうか?
当社のクライアントはフランスのSafran Aircraft Engines社(以下サフラン)という、航空や防衛などに関する大手企業であり、日本でいう大手重工のような複合企業です。当社製品は、サフランのエンジン組立工場に対して輸出をしています。輸出先は複数ありますが、主にフランスです。また、航空業界はドル取引がメインのため、当社もドル建てで取引を行っています。
ー トレーダム導入前は、どなたがどのような方法で外貨管理(為替の読み、予約の実行など)をされていたのでしょうか?
当社の外貨管理には、①将来の見込取引に備えた予約と、②売上発生後の入金までの確定取引に対する予約の2種類があります。
後者(売上後の入金確定取引)は、ヘッジのための為替予約をその都度全額行っています。
一方で、前者(将来の見込取引)については、銀行などから情報を集め、為替相場の動きを見ながら、主に私(今西氏)が一定の判断のもと、為替予約を行っていました。スポットの為替予約以外にもオプション取引など長期の為替ヘッジ手段もあるため、銀行からの情報や、レートの状況を見たりしながら、個別にスポット取引かオプション取引かを判断していました。
ー どれくらいの時間をかけて為替取引の判断をされていましたか?
将来の見込取引に備えた予約に関しては、現在はトレーダムを活用しているため毎月為替予約を行っていますが、トレーダム導入前はそこまで頻繁に為替予約を行っていませんでした。当時は、為替リスクヘッジとして、1年〜2年程度の長期為替オプションを一部活用し、そのオプションでカバーできない為替取引については、市況を見ながらスポット予約をすることもあれば、しないこともあるといった運用を行っていました。
また、長期の為替オプションを活用する場合には、条件やタイミング等含めて、実行するかの判断をするまでにそこそこ時間がかかりました。
ー そのようにご自身でレートを見ながら判断されている中で、トレーダムの導入を決めてくださったきっかけは何ですか?
元々、AGS社にトレーダムをご紹介いただき、説明を受けました。トレーダムは今までにない初めて聞くサービスでしたが、その裏には統計と確率論を駆使していること、また、シミュレーション上の実績が出ており、当社としても導入時のリスクが低いと判断でき、一度試してみようと思い導入に至りました。
ー 実際にトレーダムを活用されて良かった点はどのようなところでしょうか。どの機能が一番お役に立っていますでしょうか?
当社は、1年後の見込取引に対しての為替予約をするためにトレーダムを活用しています。当社のヘッジ方針をベースにトレーダムを使った場合と、使わなかった場合で事後検証を実施したところ、トレーダムを使った場合に経済的なメリットがあることも確認でき、満足しています。
また、トレーダムは将来の見込取引に対して、どれだけ為替予約をすればいいかを明確な数値として提示してくれますし、その数値を元に銀行で予約するといった使い方がシンプルであることもいいですね。
デザインもシンプルで見やすいですし、将来の売上をエクセルなどから取り込む必要がなく、トレーダム上でそのまま記入できるところも使いやすいと感じています。

1円の為替変動が、売上利益に直接インパクトを与えるビジネスモデル。トレーダムを活用し、為替リスクの最小化を目指す
ー AeroEdge社は為替予約の期間が、他のトレーダムユーザーと比べ長期的である点が特徴的ですが、そのように期間を長く設けられる背景は何でしょうか?
航空業界の取引はドル建てがメインであり、当社の売上の9割以上がドルで支払われるため、為替感応度が非常に高いこと、また長期契約があるため、他産業と比較して将来の売上が見込みやすいことが背景にあります。当社はドルでの仕入れが少ないため、1円でも為替が変動すると売上と利益に直接インパクトが出てしまいます。上場企業として、予算を公表しており、利益見通しを立てやすくなるためにも1年程度先の為替予約を行っています。またトレーダムを導入し、1年後の為替予約を行いやすくなったことも要因です。
当社のビジネスモデルは今後も変わらないため、有利なレートが取れるのであれば長期での為替予約も検討したいと思っています。ただ、今の日米金利差を考えた際、2年先で為替予約をしてしまうとレートがかなり悪くなってしまうため、現時点では、長期の為替予約を行うメリットは少ないと考えております。ただ、将来的にはどうなるかは分からないので、常に検討していきたいと思います。
ー 2年先のヘッジガイドをお出しすることもできますので、さらに最適な為替リスクヘッジにお力添えができればと思います。
AeroEdge社のHPにて、「新たな量産ビジネスの拡大を目指していきたい」と記載されている旨拝読したのですが、海外展開にもますます力を入れていかれるご予定でしょうか?
航空機ビジネスでは、基本的に日本よりも海外ビジネスがメインのため、成長していくにつれて、今後もドル建てでの取引が増えていくことになるかと思います。当社は、ドル建てでの仕入れが少ないため、為替感応度は成長とともに高まっていくと思います。
ー その際、トレーダムに期待することはありますか?機能面やサポート面など幅広くお伺いできればと思います。
いつも丁寧にサポートいただき、大変満足しています。期待することと言えば、コンサルティングのようなサポートでしょうか。最適なヘッジ期間や割合について答えがないということは分かっているものの、当社のビジネスモデルや過去の実績などからベストなヘッジ方法を教えてもらえると、為替予約の判断がしやすくて有難いです。
ー 嬉しいお言葉ありがとうございます。さらに満足いただけるサービスをご提供できるよう努めてまいります。
最後に、トレーダムを活用して最終的に目指したい姿はありますか?
当社の理想は、グローバルでビジネスを拡大していくことです。さらなるグローバル展開や会社規模拡大に伴い、為替リスクは避けられないため、トレーダムを活用することで為替リスクをできるだけ最小化したいと願っています。
ありがとうございます。さらなる事業展開を目指されるAeroEdge社に、これからも為替リスクの最適化を行い、満足いただけるサービス・サポートを続けられるよう、これからも努めてまいります。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
AeroEdge株式会社:https://aeroedge.co.jp/
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