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  • ドル円、短期的な下値リスクに要注意
    岩間 大祐
    この記事の著者
    DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

    大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。

    外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。

    国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

    為替の仕組み
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    今回解説していく通貨はドル円です。市場では日銀の利上げ観測が根強く残る一方、米景況感の悪化や消費の減速などが懸念材料となり、米10年債利回りは昨年12月以来の水準まで低下。日米金利差縮小への思惑がドル円相場の重しとなっているようです。では、チャート上でもドル円の現在の状況を確認していきましょう。



    下図のチャートはドル円の週足チャートになります。前回の分析(12月18日)からの変動を見ていくと、1月上旬に158.87円まで上昇する場面があったものの、昨年7月につけた直近高値161.95円には届かずに反落。足もとでは148円台半ばまで再び下押ししています。

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    現在は2021月1月から始まった上昇局面(チャート上の青色実線)が継続。ただ、前述したように前回の上昇時に直近高値を超えられなかったことは懸念材料です。

    今回チャート下部に追加した「DMI」でみると、足もとの状態は-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。ただ、トレンドの強さを示すADXは低下傾向にあるため、はっきりとした下落トレンドとも言い難い状況です。しばらくは状況を見極める必要があるでしょう。



    では今後の方向性を短期的な視点からも探っていきましょう。下図のチャートはドル円の日足チャートです(3日執筆時点)。チャート上の青色実線は週足分析と同じもの。さらに今回は「一目均衡表」も追加してあります。

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    一目均衡表でみると、転換線<基準線、遅行スパン<価格線、価格線<抵抗帯(雲)が成立しており、強い売りシグナルとされる「三役逆転」が点灯中です。

    ここからは昨年12月と今年2月に下げ止まった148.60円前後の水準(チャート上の青色点線)が目先の重要なポイントとして意識されることになるでしょう。

    同水準を明確に下抜けると2021月1月を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の青色実線)や昨年9月につけた直近安値の139.58円(チャート上の丸で囲った部分)などが視野に入り、一段の下値リスクにつながるでしょう。



    最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日米の金融政策。日銀については早期の追加利上げ観測が高まっており、春闘(集中回答日は今月中旬)の結果とともに注目する必要があるでしょう。一方、米国については今会合で金融政策が変更される可能性は低いものの、市場ではトランプ関税の影響によるインフレ懸念が意識されており、米金融政策への影響を見極めたいところです。

    その他のイベントは以下の通りとなります。

    今後1カ月の重要イベント

    3月7日 米国 2月米雇用統計

    3月12日 米国 2月消費者物価指数(CPI)

    3月18-19日 日本 日銀金融政策決定会合

    3月18-19日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

    3月21日 日本 2月全国CPI

    3月28日 米国 2月PCEコア・デフレーター

    4月4日 米国 3月米雇用統計


    本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

    ※本記事は2024年3月5日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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