<テクニカル分析判断> サマリー: ●短期:根強い上昇圧力に上値余地は拡大し「上値模索」継続も、調整圧力も増幅 ●中期:依然根強い上昇 […]
今回解説していく通貨はNZドル円です。先月末から開催された日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に為替市場では円安・ドル安が進行。NZドルも例外ではなく、対円・対ドルでともに買い戻しが入る格好となりました。世界的な株高もリスク志向に敏感なNZドルの支えとなっているようですが、NZドルの買い戻しの流れは今後も続くのでしょうか。では、チャート上でもNZドル円の状況を確認していきましょう。
NZドル円の月足分析
下図のチャートはNZドル円の月足チャートになります。前回の分析(8月9日)からどのように推移したかを見ていきますと、長期視点では2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)が機能。昨年4月から続いていた80円台を中心とするレンジ相場も上抜けつつあり、上昇の余地も拡大した格好となっています。
ここからのターゲットとしては2014年12月高値の94.05円や2007年7月につけた過去最高値の97.79円(いずれもチャート上の青色実線)などが意識されるでしょう。
これに対して下値の目処となりそうなのが、前述した上昇トレンドライン。本日時点(11月8日)では84.80円付近で推移しており、1か月後は85.40円付近まで切り上がる予定となっています。そのほかでは2022年後半から幾度となく下値を支えてきた80.50円前後もサポートゾーン(チャート上の丸で囲った部分)となるでしょう。今後調整が入った場合は節目の80.00円も含めて重要なポイントとなります。
NZドル円の週足分析
今度は週足でも見ていきます(下図のチャート)。2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)は月足分析で紹介したものと同じものです。今回はさらに「一目均衡表」もチャートに加えてあります。
現状ではしっかりとした上昇トレンドが続いているようです。また、一目均衡表でも5月後半から6月中旬にかけて、①基準線が横ばいもしくは上昇している状態で転換線が基準線を上回る、②現在の価格線が抵抗帯を上回る、③遅行スパンが26日前の価格線を上回る、を全て達成して「三役好転」の強い買いシグナルが点灯。現在も「三役好転」の状態が維持されています。
また、過去の推移をみると一目均衡表の雲がレジスタンス・サポートとして機能しているようにも見えますね。今後も機能する可能性があるため、前述した上昇トレンドラインのほかに一目雲もサポートポイントとして意識しておきましょう。雲上限は現在の84.30円付近から1カ月後には84.80円付近、雲下限は現在の84.00円付近から1カ月後に84.50円付近まで切り上がる見込みです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきましょう。11月29日には年内最後となるNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えています。同国では先月に6年ぶりの政権交代が実現。インフレ抑制などを公約に掲げて政権を奪取した国民党の下での初の金融政策委員会となり、注目を集めることになりそうです。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
11月24日 日本 10月全国消費者物価指数(CPI)
11月29日 NZ NZ準備銀行(RBNZ)、金融政策を公表
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