2026年最新のドル円見通し:上昇トレンド継続中ながらその勢いには陰りも
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。

外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。

国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

為替の仕組み
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今回解説していく通貨はドル円(USD/JPY)です。依然として上昇トレンドは継続中ですが、その勢いには陰りも見られています。調整局面に入った可能性もあるなか、押し目買いなども慎重に進める必要があるでしょう。

ファンダメンタルズ面ではウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議で利上げに含みを残したことで、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ期待が高まっています。



まずは米国の現在の金融政策状況を確認していきます。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は2022年3月に金融引き締めを開始。2023年7月に政策金利を5.25-5.50%まで引き上げて、2024年9月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は3.50-3.75%です。

●FOMCが金利の据え置きを決めた7月直近会合での声明文では

・FOMCは9対3の賛成多数で以下の声明を承認

・インフレ率は、エネルギーを含む特定のセクターでの価格上昇を招いた供給ショックなどを背景に、委員会の目標である2%を上回る水準で推移している

などの見解が示されました。

ウォーシュ氏が米連邦準備理事会(FRB)の議長に就任以降、FOMC声明文が大きく簡略化されるなど、市場とのコミュニケーション手法に変化が生じました。

市場では先行きの金融政策に対するヒントが得られづらくなったと不満を示す向きもありましたが、前週のジャクソンホール会議ではウォーシュ議長も「インフレ指標はトレンドが有意に改善したことを示唆していない」「インフレ率が速やかに2%へ向かわないなら、なすべきことがある」などとしっかり言及。9月FOMCでの利上げを示唆する内容だったとして、市場では一気に金融引き締めへの転換を予想する声が増えています。



ではテクニカル面でも現在の状況を確認していきましょう。下図はドル円の週足チャートになります。

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現在は2023年1月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)が継続中。さらに昨年4月安値を始点とするより強い上昇トレンド(チャート上の黄色実線)もしばらく維持していましたが、7月末の下落を受けてやや上昇の勢いに陰りも見え始めました。

チャート下部の「DMI」で確認しても、現在は-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXが低下基調にあり、しっかりとした下落トレンドというよりも上昇トレンド内の調整局面とみなすべきでしょうが、今後の調整余地についても気にかけていく必要があるでしょう。



では短期的な視点でも今後のドル円の見通しを確認していきます。下図は日足チャートです。

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チャート下部の「DMI」はこちらも-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。ただ、-DIと+DIは足もとで急接近しており、今後上昇トレンドへと転じる可能性もあるでしょう。

また、前回の急落時(8月3日)に5月6日につけた直近安値(155.04円、チャート上の青色実線)を下回らなかったこともポジティブな材料と言えます。今後は7月末からの急落分をどこまで取り戻せるかがポイント。下値の目処としては8月20日安値の158.03円や同月7日安値の156.68円(いずれもチャート上の青色点線)などが意識されそうです。



最後に今後1カ月間の経済指標や重要イベント等も確認しておきます。注目は日米の金融政策。市場では日銀の追加利上げを9割程度、米国の利上げ転換を6割程度織り込んだ状態にあり、日米ともに注目を集めるイベントになりそうです。

その他のイベントは以下の通りとなります。

今後1カ月の重要イベント

・9月4日 米国 8月米雇用統計

・9月11日 米国 8月消費者物価指数(CPI)

・9月15-16日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

・9月17-18日 日本 日銀金融政策決定会合

・9月18日 日本 8月全国CPI


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2026年9月2日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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