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今回解説していく通貨はNZドル円です。先月末からの主要中央銀行による金融政策ラッシュは一巡しましたが、来週16日にはNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えています。RBNZは現行の5.50%ですでに利上げ停止を示唆しており、今回も金利据え置きが見込まれていますが、市場では声明文などからRBNZが次の一手をいつ打ち出すのか、ヒントを探ろうとするでしょう。その前にチャート上でもNZドル円の状況を確認していきましょう。
NZドル円の週足分析
下図のチャートはNZドル円の週足チャートになります。前回の分析(5月10日)からどのように推移したかを見ていきますと、長期視点では2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)が機能。昨年4月から続いている80円台を中心とするレンジ相場(楕円で囲った部分)を一時上抜ける場面も見られています。ただ、その後は再びレンジ内に押し戻されており、レンジブレイクと判断すべきか微妙なところです。
NZドル円の日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。昨年4月からのレンジ相場(上限:青色実線、下限:黄色実線)は今年の6月以降に上回る場面も見られましたが、レンジ超え水準の定着には至らず。足もとでは再びレンジ内へと押し戻されています。
とはいえ、レンジ上限を一度超えていることから上限付近での抵抗感は弱まっていると言えるでしょう。短期的には3月24日安値を始点とする上昇トレンドライン(黄色点線)が機能しており、現局面はレンジブレイクの大きなチャンス。この上昇トレンドラインをサポートとして、再びレンジ上限の上抜けや7月5日につけた直近高値89.70円超えを果たしたいところです。
その一方で今回のチャート下部に追加した「MACD」は負の値で推移しており、現在が下降トレンドであることを示唆。さらに調整が深まり、前述の上昇トレンドライン(黄色点線)を下抜けるとレンジ相場へと逆戻りする可能性が高まりますので注意が必要です。なお、トレンドラインは本日時点で85.20円付近、1カ月後には86.30円付近まで切り上がる見込みとなっています。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。RBNZの金融政策を除くとイベントは控えめ。市場参加者も多くが夏季休暇に入るため、通常よりも動意の乏しい時期になりそうです。24-26日の米ジャクソンホール会議はNZドルに対する直接的な影響はないでしょうが、ドル相場や円相場などが動意づくことでNZドルも上下する可能性があります。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
8月16日 NZ NZ準備銀行(RBNZ)、金融政策を公表
8月18日 日本 7月全国CPI
8月24-26日 米国 ジャクソンホール会議
本記事は2023年8月2日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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