目次米インフレはピークを付けた!?金相場はいったん底打ちか!?12月のFOMCでは0.50%利上げ?中長期的には下落予想も 米インフレはピー […]
11月5日大統領選挙!
いよいよ、11月5日に米大統領選挙が行われます。
今回はハリス副大統領とトランプ前大統領が接戦を繰り広げていることで、どちらが勝利を収めるかが未知数です。
投票1週間前はややトランプ前大統領が有利との報道もありますが、ここまで読みにくい展開はないでしょう。
接戦州でどちらが勝利を収めるかが分かりませんが、結果が判明するまでには日にちを要するかもしれません。
また、前回の選挙同様に仮にトランプ前大統領が敗北した場合には、再び支持者による暴動などが起きる可能性もあるでしょう。
どちらが勝っても
現在市場で予想されていることは、両候補のどちらが勝っても大幅減税と拡張的な財政政策を公約にしていることで、米長期金利の上昇が予想されています。
濃淡では、トランプ前大統領のほうが拡張的財政の要素が高くなるとされています。
ただし、市場はこの1カ月程度はこの予想がずっと続いていました。
米債はSell The Rumour Buy The Fact(噂=予想で売って、結果で買う)となり、大統領選挙後に利食いの米債買い(金利低下)になる可能性もあるでしょう。
10月27日に行われた本邦の衆議院選挙でも、自民党が過半数を獲得できない場合には株安が進行するとの予想もありました。
しかし、ふたを開けると日経平均はじめ本邦の株式市場は上昇しました。
それほど、選挙結果でどちらに動くというのを予想するのは簡単ではないわけです。
この通貨は強弱はっきり分かれるか
上述のように選挙に結果でドル買い・ドル売りどちらに動くかを予想するのは難しいです。
しかし、一部通貨では、選挙結果でどちらに動きやすいか分かりやすい通貨もあります。
例えば、今回は南アランドなどは、だれが大統領に就任するかで中長期のリスクが変わると思います。
なぜ、ランドは強弱がはっきりと分かれるかを説明します。
10月下旬に行われたBRICS首脳会議で、ラマポーザ南ア大統領はプーチン露大統領に「ロシアは味方だ」と伝えるなど、南アはロシアや中国との関係が密接です。
これまでも、経済的には欧米が通商のパートナーなのにもかかわらず、ロシアとはアパルトヘイト後から良好な関係を築き、中国とは新たな通商パートナーとしても際立っています。
ラマポーザ南ア大統領は、このような経緯もあり、ウクライナをめぐる戦争についてもロシアを非難することも控えています。
要するに、南アはどっちつかずの態度をとり続け、美味しいところ取りの政策を継続しています。
この件について、バイデン政権は比較的南アに対して穏健な姿勢をとっていました。
しかし、共和党だけでなく、与党民主党も南アの姿勢を非難する声は増しています。
そして、5月29日に、米下院で「米国と南アとの2国間関係の全面的な見直し」の決議が行われ272対144(共和党211名が賛成・反対1名、民主党61名が賛成、反対143名)で見直し案が可決されたのです。
しかし、上述のようにバイデン大統領はこの案に対して反対姿勢をとっていることで、決議が通過することはこれまでありませんでした。
ただ、もしトランプ前大統領が大統領に返り咲いた場合はどうなるでしょうか?
トランプ氏はこれまでも不利益な貿易相手国に対しては税の引き上げをはじめ、徹底的な対抗措置をとってきました。
しかも、南アは米国の友好国であるイスラエルに対しては非常に強く非難をしています。
よって、これまで通りの米・南ア関係が継続できないリスクもあるでしょう。
そして、その場合に一番南アが恐れていることは、何千もの品目を米国に無税で輸出することを認める貿易協定のアフリカ成長機会法(AGOA)の対象から南アが外されることです。
これが実現した場合には、南アはこれまで通りの通商政策は通じなくなり、南アの貿易黒字は大幅に縮小するでしょう。
また、南ア国内経済にも大きなダメージを与えることは必至です。
さらに、国民統一政府(GNU)に対する期待で南アへの投資されていた資金なども停滞することもあるかもしれません。
このように、ドル全体がどのような動きになるかを予想するのは難しいですが、おそらく第2次トランプ政権となった場合は、南アのリスクはダウンサイド=ランド売り、となると思われます。
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※本記事は2024年11月4日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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