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  • 豪ドル米ドル、レンジブレイクを回避できるか
    岩間 大祐
    この記事の著者
    DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

    大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。

    外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。

    国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

    為替の仕組み
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    今回解説していく通貨は豪ドル米ドルです。豪州ではインフレ鈍化の兆候が見られ始めており、今年の5月以降とされていた豪準備銀行(RBA)の利下げ転換時期が早まるとの思惑が浮上してきました。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は本日の会合こそ金利据え置きとなる見込みですが、トランプ米大統領から早速利下げ要請を受けており、今後の金融政策方針が気になるところです。では、チャート上でも豪ドル米ドルの状況を確認していきましょう。



    下図のチャートは豪ドル米ドルの週足チャートになります。前回の解説(11月13日)からの推移を確認すると、2022年10月からのレンジ相場(チャート上の黄色実線)下限を試す動きとなり、今年の1月中旬には下限を一時下抜ける場面も見られました。

    もっとも、その後はすぐに切り返したため、レンジ相場をブレイクしたとの判断は尚早でしょう。目先はもう少し様子を見たいところです。

    20250128181529751602

    ただ、チャート下部に追加した「DMI」によると、-DI>+DI(下落トレンド)を示唆しており、トレンドの強さを示すADXもやや上昇傾向にあるため、今後も予断を許さない状況が続きます。レンジ下限を明確にブレイクすると、2020年3月安値の0.5510米ドル(チャート上の丸で囲った部分)まで下値余地が拡大するため、現在のレンジを維持できるか如何は非常に重要なポイントです。



    ここから週足分析でポイントに挙げたレンジブレイクの可能性について、短期的な視点から見ていきます。下図は豪ドル米ドルの日足チャート(1月27日執筆時点)。チャート上の黄色実線は週足分析で紹介した物と同じです。今回は「一目均衡表」も追加してあります。

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    「一目均衡表」で確認すると現在は転換線の低下が一服したことで、転換線>基準線の構図に。また、遅行スパンが26日前の価格線を上回って推移しており、昨年10月から続いていた「三役逆転(売り示唆)」がようやく終了した格好となっています。

    ただ、肝心の基準線がいまだ低下基調にあることは気になるところ。今後は分厚い雲が立ちふさがってくる見通しとなっており、雲がレンジスタンスとして機能してしまうと再び安値をうかがう可能性も高まりそうです。目先はこの雲との攻防を注目しておきましょう。



    最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は本日の豪米イベント。豪州では四半期消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、結果次第では2月豪準備銀行(RBA)理事会での利下げ観測が高まるでしょう。また、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は金利据え置きとなる見込みですが、米大統領からの利下げ圧力が強まりつつあるなか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が記者会見でどのような見解を示すかも注目されます。

    その他のイベントは以下の通りとなります。

    今後1カ月の重要イベント

    1月29日 豪州 10-12月期消費者物価指数(CPI)

    1月29日 豪州 12月CPI

    1月28-29日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

    1月31日 米国 12月PCEコア・デフレーター

    2月7日 米国 1月米雇用統計

    2月12日 米国 1月CPI

    2月17-18日 豪州 豪準備銀行(RBA)理事会

    2月26日 豪州 1月CPI

    2月28日 米国 1月PCEコア・デフレーター


    本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

    ※本記事は2024年1月29日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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