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イングランド銀行
イングランド銀行(BOE)は英国の中央銀行です。現在は1998年イングランド銀行法で制定された、物価安定の維持と英国政府の経済政策支援などの諸機能を遂行しています。
1997年に英財務省から政策金利など金利設定の権限がBOEの金融政策委員会(MPC)に移譲されました。
金融政策委員会(MPC)
MPCはBOEに設置されており、政策金利など英国の金融政策を決定する機関です。総裁、副総裁を含む計9名の委員で構成され、年間8回会合を開催しています。
MPCメンバー
2024年のMPCスケジュール
・2月1日 政策金利を5.25%に据え置くことを決定
BOE政策金利
今年2月のBOE会合
2月1日に行われた今年最初の会合では政策金利の5.25%据え置きを決定しました。2008年以来の高水準での金利据え置きは4会合連続となります。声明文では追加利上げ余地を示唆する表現が削除され、「相当な期間金融引き締めに重きを置くべき」とする表現も和らぎました。四半期ごとの金融政策報告書では、2024年インフレ率見通しを前回3.25%から2.75%へと下方修正されました。
BOEの政策金利見通し
ベイリーBOE総裁は、「目標の2%までインフレ率が低下する証拠がまだ必要」としながらも、利下げを検討していることを認めました。市場では5月か6月に利下げを開始するとの思惑が高まっています。
もっとも2月会合ではMPCメンバー9人のうちハスケル委員とマン委員は利上げを主張したのに対し、ディングラ委員は利下げに票を投じました。同じ会合で利上げと利下げの主張が出たのは世界金融危機初期の2008年8月以来であり、この先のインフレをめぐる不確実性の高さを物語っています。
今週に発表された英10-12月賃金(除賞与)は前年比で予想を上回る6.2%と、約1年ぶりの低水準となるも労働市場は依然としてインフレ率にとっての圧力となっていることが示されました。また、1月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%と前月から横ばいとなり、物価上昇圧力は市場やイングランド銀行(英中銀、BOE)が懸念したほど強まっていません。当面は利下げ時期をめぐり経済データに一喜一憂する展開が見込まれます。
※本記事は2024年2月17日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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