トレーダム為替ソリューション 【AI為替リスク管理システム】

  • 「ドル円は半年ぶり高値 ロングは維持したい」
    中村 知博
    この記事の著者
    DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

    鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。
    外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

    為替リスク管理
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    今週のドル円相場は底堅く展開となりました。注目の12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果に。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが優勢となりました。指標発表直後には一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を更新しています。

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    *Trading Viewより

    なお、雇用統計の結果について市場では「FRBが2022-23年に大幅な利上げを行った影響で雇用は鈍化しているものの、主に歴史的に低い解雇を反映した労働市場の回復力が賃金上昇を通じて消費支出を支え、経済をけん引している。米経済はFRB当局者がインフレを伴わない成長率とみなす1.8%を大きく上回るペースで拡大。トランプ新政権が関税と移民制限を組み合わせたスタグフレーション政策を推進すれば、FRBが金融緩和サイクルをほぼ終了させる可能性が高まっている」との声が聞かれました。

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    *Trading Viewより

    なお、米国債券相場では長期債が下落。米10年債利回りは一時4.7860%前後と2023年11月以来の高水準を付けています。米ミシガン大学が10日に発表した1月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも金利上昇を誘ったようです。「米消費者の長期インフレ期待は2008年以来の水準に上昇した。これにはトランプ次期大統領が掲げる関税導入への懸念が背景にある」といいます。

    「景気が強いという意味では朗報だが、利下げを期待する向きには悪いニュースだ。インフレはFRBの最重要課題にとどまるだろう」として、「利回りの上昇は続くとみられる。株式にとっては悪いニュースだ」との声も聞かれています。この日の米国株式市場でNYダウは反落し、一時750ドル超下落する場面がありました。



    私は「高市氏勝利」と「年末ラリー」を期待して、9月26日にドル円を「144.655円」でロングしていました。「石破ショック」でロスカットを覚悟していましたが、設定した水準を割り込むことはなく、するすると上げてしまいました。正直、早々にロスカットになると思っていました。

    その後、12月5日には「150.325円」で追加ロングしていますが、これは11月15日の高値156.75円の突破を期待してのポジションメイク。平均コストは「147.49円」となっています。年末年始を挟むこともあり、心理的に「いったんポジションをスクウェアにしたい」との想いもありましたが、11月15日の高値を上抜けているため、「やっぱり7月3日に付けた約37年半ぶりの高値161.95円突破を狙いたい」との考えからポジションは維持しています。

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    *IG証券より

    なお、ストップロスの設定についてはドル円の日足チャートを見ると、1年2カ月ぶりの安値139.58円という、かなり分かりやすい下値目処が出来ており、ストップロスはここより若干下の「139.50円」にしています。

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    ある市場関係者からは「今年初めのいずれかの時点で政府・日銀による円買い・ドル売り介入が実施される可能性も十分にありそうだ」との声も聞かれましたが、マーケットのセンチメントとしては「158円台」で取引されていることに対するレベル的な違和感が次第に払拭されつつあります。足もと円安・ドル高のスピードがかなり緩やかな印象ですので、個人的には「為替介入」は難しいのでは?と考えています。


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    本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

    ※本記事は2024年1月11日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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