<テクニカル分析判断>
●短・中期:’24年6月以来の7連騰で「着実な上昇圧力の増勢復活」を確認

□5/18週:「寄付158.58:158.49~159.34終値159.20、前週比+0.41円の円安)」
◇前週比で+0.41円の円安と小幅ながらも続伸。日足では約2年ぶりの7日連騰を記録し、緩慢ではあるものの着実な上昇圧力の増勢を確認
◇また、日足・週足ともに前週回復した21MA超の水準を着実に維持し、介入による急落で一旦急激に悪化した「USD円相場の地合いは、再び力強く好転」したことを確認
◇一方、160円に接近すると「戻り売り圧力の高まり」も想定されるが、既述の「地合いの好転」が徐々にかつ着実に戻り売り圧力を吸収
●このように、展開がほぼ上昇方向に偏りつつも極めて緩慢に進展したことで「週間変動幅は僅か0.85円」と、前5/11週の2.40円から急激に縮小
<上掲チャートのポイント(週足):中期時間軸>
◇5/4週の「下ヒゲ長めの小“陰線”が底打ちを示唆」したことはほぼ確実(以下参照)
(1)・(2):「下ヒゲの長い小“陽線”」と「(D)からの緩やかな上昇トレンドライン(サポートライン)付近での底打ち」
(3):「下ヒゲの長い小“陽線”」と「(A)⇒(C)の長期下降TL」が上抜けしたため強力なサポートラインに転化した水準での底打ち
(4):「下ヒゲ長めの小“陰線”」ではあるものの、「(D)からの緩やかな上昇トレンドライン(サポートライン)付近での底打ち」を示唆
➀:「21週MA」を強力なサポートラインとした底打ち
➁:「(A)=>(C)の長期下降TL」が上抜けし強力なサポートラインに転化した水準での底打ち
➂:「(D)からの緩やかな上昇トレンドライン(サポートライン)付近での底打ち」がほぼ確実
◎『根強い押し目買い圧力』ならびに『昨年4月から1年超続く緩やかな上昇TL』は、依然としてかなり堅固であり、今後も相当強力なサポートラインとして機能
⇒既述の通り、(4)で底打ちを確認後大きく反発。一気に21週MAを大幅に上回った前週に続き、押し目をほとんど作らず小幅ながらも続伸
◎RSIは中立水準で反発に転じ、ストキャスティクスも低位から反騰に転じた模様。共に更なる好転の余地を潤沢に残している
●ただし、これ以上の水準は3週前に『大きく顕現化した160円超への障壁』に接近してゆくため、自律調整的な反動(反落)にも警戒を怠れぬ局面に
=>足許での「上昇モメンタムの増勢は明らか」だが、水準が上がるにつれ『160円超への障壁(戻り売り圧力)』も同時に高まるため、両圧力の拮抗により再び『保合い』となる可能性も排除できない
=>実際、先週の変動幅は「僅か0.85円」に止まり「小幅に続伸」したものの、見方によっては『強含み“保合い”』の範疇だったとも言える

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<チャートのポイント(日足):短期時間軸:既述週足コメントもご参照>
<1枚目:先週のコメント含む>
◇昨年4月以降の緩やかな上昇トレンドでは「連騰は4以下 or 6まで」と5で止まったことはなく、モメンタムを考慮すれば、もう1本追加され6連騰へ進展する可能性は高い
◇連騰が7以上に伸びるようなら、上昇圧力の増勢を改めて示唆
<2枚目>
◇「7日連続陽線」は’24年6月以来約2年ぶりの現象
◇7日以上の連続陽線は‘22年~’24年に集中的に見られ、特に上昇トレンドの加速が鮮明だった‘22年には10連騰以上の力強い上昇が複数回見られた(図中⑤⑥)
◇なお、4/30の急落以降に急低下し、いつ反発に転じても全くおかしくない水準に至っていた「RSI/ストキャスティクスは上記7連騰に伴い急反発」
=>根強い押し目買い圧力が強固に存続していた結果として、短期時間軸における「USD円相場の地合いの力強い好転」を確認
<⇔>
●ただし、同期間において「長い連騰の後には(急)反落するケースも少なくない」ため、この点には相応の警戒が必要
以上より<今週のテクニカル分析の結論>は以下の通り
◎『根強い押し目買い圧力』ならびに『昨年4月から1年超続く緩やかな上昇TL』は、依然としてかなり堅固だと思われ、今後も相当強力なサポートラインとして機能
◎週足のRSIは中立水準で反発に転じ、ストキャスティクスも低位から反騰に転じた。共に更なる好転の余地を潤沢に残している
●ただし、これ以上の水準は4週前に『大きく顕現化した160円超への障壁』に接近してゆくため、自律調整的な反動にも警戒を怠れぬ局面に
=>足許での「上昇モメンタムの増勢は明らか」だが、水準が切り上がるにつれ『160円超への障壁(戻り売り圧力)』も同時に高まるため、上下双方向への圧力の拮抗により再び『保合い』となる可能性も排除できない
◇それでも、超長期時間軸(後述月足)では「USD円相場の地合いは依然として堅固」であるため、今後2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライへ移行する可能性は依然として存続
◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは着実に進展」しつつあるとの認識を引き続き堅持
□以上を踏まえ、引き続き「過度に予断を持つことなく」変化の兆しを見落とさぬ姿勢を維持した上で、終値が以下の水準を「突破or維持」できるかどうかに注目
1 161.60円=21週MA+2.46%
2 161.15円=21週MA+2.16%
3 ☆160.15円=21日MA+1.23%☆
4 159.70円=21週MA+1.23%
5 158.75円=52日MA
6 158.20円=21日MA
7 ☆157.75円=21週MA☆
8 156.25円=21日MA▲1.23%
>>>上記3(上方)と7(下方)が「抜けると加速する」と思われる水準
~以下では『短期・中期・長期の方向性』についての分析ポイント及び各時間軸での想定レンジをご案内します。(今号の分析は2026/5/15のNY市場終値をベースに実施) ~
<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>
➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド、52MA & 200MA」、RSI等
短期(1週間~1か月)の方向性:押し目買い圧力は堅固も、自律調整に要注意

〇上図は前掲(直近10ヶ月)分を直近2年分に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい
◎『根強い押し目買い圧力』ならびに『昨年4月から1年超続く緩やかな上昇TL』は、依然としてかなり堅固だと思われ、今後も相当強力なサポートラインとして機能
●ただし、これ以上の水準は4週前に『大きく顕現化した160円超への障壁』に接近してゆくため、自律調整的な反動にも警戒を怠れぬ局面に
=>足許での「上昇モメンタムの増勢は明らか」だが、水準が切り上がるにつれ『160円超への障壁(戻り売り圧力)』も同時に高まるため、上下双方向への圧力の拮抗により再び『保合い』となる可能性も排除できない
>>> 想定レンジ=今後1週間:158.20~161.15、今後1ヶ月:155.80~163.50=
➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSI等
中期(1か月~半年程度)の方向性:地合いは堅固、自律調整交えつつ上値を模索へ

◇上図は冒頭掲載分の期間を4年強に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい
=>足許での「上昇モメンタムの増勢は明らか」だが、水準が切り上がるにつれ『160円超への障壁(戻り売り圧力)』も同時に高まるため、上下双方向への圧力の拮抗により再び『保合い』となる可能性も排除できない
◇それでも、超長期時間軸では「USD円相場の地合いは依然として堅固」であるため、今後2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライへ移行する可能性は依然として存続
◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは着実に進展」しつつあるとの認識を継続
>>>今後6か月間の想定レンジ = 150.75~167.40⇒ 150.60~167.40=
➌月足チャート:「20MA±18.0%のバンド」「60MA±30.0%のバンド」、RSIを付記
長期(半年超~1年程度)の方向性:超長期上昇トレンドは着実に進展中

◇上値抵抗線として機能していた2024年夏以降の下降トレンドライン(TL)突破が示現後、このTLは下値支持線に転化し、直近3か月も月内での『重要な底打ち/反発水準』としての機能を継続
◇かつて「RSIやストキャスティクスが警戒すべき高水準を長期間維持し続けることを可能にした“強固な地合い”」が徐々に回復しつつある
=>『秩序ある上昇の体』は依然維持されており、最終的に『上昇サイクルは依然として存続(上方向)』を確認する可能性が高いと認識
□超長期時間軸では『着実な上昇トレンド』を堅持
>>> 今後1年間の想定レンジ = 147.30~169.50 ⇒ 147.30~169.50 =
<ファンダメンタルズ分析判断>
□先週の日米金融市場の変化(下表右端):米イラン停戦合意期待⇒株価は最高値圏
◇米国:依然インフレ懸念は残るも、米イラン停戦合意期待から株価は再び最高値圏
◇日本:金利は一時急上昇も、米イラン停戦合意期待から株価は再び最高値更新へ
◇USD円:中東由来のインフレ懸念⇒米利上げ観測でUSD指数・USD円共に強含み

今週は、ある読者の方から「(USD円に関する)初めての質問」として以下のご質問を頂戴しましたのでこちらへの回答から。
「GW中に行われた介入は“10兆円規模”とされているが、結局3週間程度で159円台に戻って“再び160円が視野に”入っているが,,,」
➀“事前通告”まで行った『巨額の介入が効かない』のはなぜか?
➁今後の展開は?円高or円安?
初めてのご質問、ありがとうございます。ただ、今回のご質問に対する回答は、我々のこのレポートで繰り返しご案内してきたテーマです。長くお付き合い頂いている読者の方々には「耳にタコ」的な話になるかもしれませんが、おさらいとしてご認識ください。
➀(原則から外れた介入):まず、基本としてUSD円などの為替レートに限らず、あらゆる金融市場における取引価格は「市場が決める」ことが原則だと我々は考えています。その上で<通貨ペア双方(USD円なら日米)の相対的なファンダメンタルズが反映された結果である“為替レートの水準”は市場が決めるべき>だと考えているのです。この視座で申し上げると、介入を実施する金融当局も市場(参加者)の一員だと言えなくもありませんが、相対的ファンダメンタルズに即した“実需”筋ではないと思われます。
では、そもそも「介入」とは何か。我々は以下のように認識しています。
変動相場制を採用する国では、為替相場の一定水準を防衛することを目的にした介入は行わず「介入は『過度な変動や無秩序な市場環境に対処することを目的に実施される』というのが鉄則です。これは国際通貨基金(IMF)のガイドラインや、主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議声明や日米財務相共同声明にも規定されていること。ただ、そうした理由だけではなく、仮に一定水準の防衛に失敗した場合には、金融当局が市場からの信認を失い、逆に相場変動を大きくしてしまうからとされています。特に、自国通貨を買い支える介入の場合、その失敗は所謂「通貨危機」につながるリスクがあるからです。
結局のところ、介入は経済の歪みから目を逸らすだけの対症療法でしかなく、通貨の構造的な弱さに向き合わなければ、いずれは外貨準備減少に対する市場の不安が高まって限界を迎えることになります。
しかしながら、改めて日本の新年度入り4月1日から30日に最初の介入が入る直前までのドル/円相場の動きをみると、1ヶ月で概ね157.50~160.70円の狭いレンジで取引されていました。介入の入った4月30日の高値(160.72円)が2024年7月11日以来のUSD高・円安水準であったとはいえ、主要7カ国(G7)の共同声明で為替介入発動の条件として記されている「過度の変動」や「無秩序な動き」とは言い難い状況だったと考えられます。
それにもかかわらず、政府があえて複数回の介入に踏み切ったのだとすれば、USD円相場の「値動き」ではなく「特定の水準」(160円台?)を意識して行った可能性が高いと考えられます。
換言すれば、過去半年間のUSD円相場の変動幅(率)は、ユーロUSD相場、英ポンドUSD相場とほぼ同水準であるにもかかわらず円買い介入を行ったことで、今回は過度な変動に対する対処ではなく「(明らかに)160円台という特定の水準を超えてさらに円安が進行することを阻止したい」との考えを市場に露呈してしまったといえるのではないでしょうか。
さて、ここで“当局”は介入をどう考えているかの一例をご紹介します。これまでも、フルバージョンを数回ご紹介した記憶がありますが、昨年7/28付Weekly Reportの当欄では「昨年7/17付の日経QUICKニュース」の記事で(財務官やアジア開発銀行総裁を歴任され、昨年7/1付で国際通貨研究所の理事長に就任された)浅川雅嗣氏のインタビューをご紹介しました。円相場について「日米の金融政策を踏まえると円高・ドル安方向ではあるが、以前に比べると円高にはなりにくい構造になってきている」との認識が「概ね我々の認識と同じ」と指摘しています。以下はそのうちの「介入」に関するコメントです。
――日本政府・日銀が円買いの為替介入を実施してから1年がたちます。足元の円安・ドル高は円買い介入が視野に入る状況といえますか。
「介入はこの水準を絶対死守するということではなく、あくまでボラティリティー(変動率)だ。投機的な取引で1日に何円も急変動することはマクロ経済運営にとって有害だ。その場合にはペースを抑制する『スムージング・オペレーション』が必要になる」
我々は、これまで円高を止める(抑止する)要因として「市場介入」が話題になるたびに『介入はスムージングオペであり、あくまでも対症療法に過ぎない。複数国家による協調介入ならアナウンスメント効果も込みで単独介入以上の多大な効果はあるだろうが、それでも一時的に需給を操作(緩和)することしかできないし、抜本的に相場のトレンドを逆転させることはできない』と主張してきました。
したがって「介入が効かない」と感じられるのは(誤解を恐れず申し上げれば)「介入の効果を過大に評価されているから」と考えています。
➁今後の展開は?円高or円安?:ファンダメンタルズは(ほぼ)円安を志向
既述の通り、我々は「市場が決定する“為替レート”は通貨ペア双方(USD円なら日・米)の相対的なファンダメンタルズが反映された結果である」と考えています。
こうした視座で現在の日米のファンダメンタルズを考えた時『USD円レートは今のところ円安を志向』しているとの結論が導き出され、この大局観はここ5年程変わっていません。
以下、そう考えるファンダメンタルズの主たる要因を列挙します。
➊「大幅なマイナスの実質金利」(円にとっての最大の『弱点』)
➋多額の「対外直接投資」
➌常態化しつつある巨額の「貿易赤字」
➍個人や企業による「投資マネーのキャピタルフライト(日本離れ)」
➎コロナ禍以降爆発的に膨張している「デジタル赤字」など、、、
これらを考慮すると、にわかに改善しそうな要因は殆ど見当たりません。最近➌に改善の兆しが見えていましたが、米イラン戦争の余波でこれもトレンドとして定着する可能性には疑問が残ります。
あえて円高方向の可能性を探るとすれば、相対するUSD安の要因(+円高要因)。
特に、➊の円最大の弱点をカバーできる条件としては以下の状況が出来することでしょうか。
・「米景気が後退局面入りしてFRBが政策金利を物価目標2%以下の実質マイナス圏に引き下げる」
・「日銀が3会合連続で見送っている利上げを早期に再開して物価目標=2%を超える実質プラスの水準まで一気に引き上げる」
などの環境変化が起きれば、ファンダメンタルズに由来する円高・ドル安圧力が発生するので、本邦通貨当局による為替介入の助けが無くてもUSD円相場は自律的な円高局面に転じることになりますが、残念ながらその蓋然性は極めて乏しいと考えています。
早いもので、11月の米中間選挙まで5か月強に迫ってきました。低迷が続く支持率の回復を狙う米トランプ政権。しかし、年明け以降の「力による安定」をアピールしたい政権の政策に対する透明性や評価は決して高いとは言えないと思われます。これに伴って、金融市場全体のボラティリティは一段と高まりこそすれ、落ち着き・低下することは想定しづらい状況です。
こんな状況だからこそ、 (いつも申し上げているとおり)今後も「過度に予断を持たず変化の兆しを見落とさぬ姿勢」を貫き、金融資本市場全体を引き続き注視してゆかねばならないと考えています。
お知らせ:今週はご案内していませんが、米国を中心とする「世界のインフレ・景気・金融政策」の現状分析、並びに短期を中心としたUSD円相場見通しについては、トレーダム為替アンバサダーでもある安田佐和子氏のレポート(Weekly Report等)に詳細かつ非常に解りやすく解説されています。
TRADOMユーザーの方々はサイト内で是非ご参照下さい。
2026/5/25
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!





