Weekly Report (4/20) 根強い押し目買い圧力は継続の一方、戻り売り圧力が徐々に増勢
吉岡 豪麿
この記事の著者
トレーダム 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

マーケット分析

<テクニカル分析判断>   

●短・中期:1年ぶりの3週連続陰線が出来。戻り売り圧力の増勢に上昇モメンタムは後退

■4/13週:「寄付159.60157.59~159.86終値158.61前週比▲0.66円円高)

◆前週末比で0.66円の円高となり、3週連続で陰線を形成。3週連続陰線は現在の緩やかな上昇トレンドが始まった昨年4/22(139.89円)の直前に記録して以来の事象。また、この3週は上値/下値が共に切り下がっており、上昇モメンタムの翳りが徐々に目立ち始めた

◇しかし、この3週の陰線は「実体部分が比較的小幅」な上に「下ヒゲが長い」ため、『下落圧力の限界』も感じられると共に『根強い押し目買い圧力が依然として継続/機能している』ことを示唆

◆それでも「終値は6週間ぶりの158円台」となっており、160円超の終値を展望できるほどの上昇圧力の高まりは数週間前と比較して大幅に後退した観は否めない

●なお、週間変動幅は2.27円と、4/6週の2.13円から小幅に拡大も「保合い」的推移が続く

<上掲チャートのポイント(週足):中期時間軸>

●3週連続での陰線。3週連続陰線は現在の緩やかな上昇トレンドが始まった昨年4/22(139.89円)の直前に記録して以来

●また、この3週は上値/下値が共に切り下がっており、上昇モメンタムの翳りが徐々に目立ち始めた

〇ただし、直近3週を含む5週は「実体部分が比較的小幅」な上に「下ヒゲの長い足型が継続」しているため、『下落圧力の限界』も感じられる

⇒『押し目買い圧力が継続的に機能』していることも確認できるため、『根強い押し目買い圧力に支えられた中長期上昇サイクル』が依然として維持されている可能性が高いと認識

<上掲チャートのポイント(日足):短期時間軸>

●上記週足コメントもご参照。上値の重さから週末にかけては下値模索が中心の展開。週末には一時3/19以来となる157円台半ばまで下押す場面も

●また、直近2週間では「10営業日中7日は21日MA未満の終値」となっており、押し目買い圧力の継続は確認されている一方で「上昇モメンタムの(短期的な)衰退」が徐々に明らかになりつつある

〇しかし、週末の下押し局面にあっても「52日MAの水準ではキッチリ底打ち/反発」に転じており、「かなり長い下ヒゲ」と共に『根強い押し目買い圧力は依然として存続』していることを示唆

〇なお、RSIやストキャスティクスも、足元では双方共に「中立水準」にあり依然として『上昇余地の残存』(もちろん低下余地もあり)を示唆

=>以上の点から「上昇モメンタムに翳り / 21日MAが僅かに下落に転化」などやや懸念材料があるため、当面は「(大きく変動する前の)エネルギー充填期間」としての保合い推移となる可能性あり

=>ただし、『秩序ある上昇の体』は依然維持されており、最終的に『上昇サイクルは依然として存続』を確認する可能性が高いと認識

以上より<今週のテクニカル分析の結論>は以下の通り

□日足・週足・月足(後述)の全ての時間軸において『力強い上昇トレンドが再び本格化しつつある』との大局観に大きな変化はない

◆ただし、直近5週に見られた戻り売り圧力も相応に強力であり「一旦上抜ければ上昇が加速する」と思われる「162.00への到達も容易ではない」模様。『5週続伸はならず』のアノマリーが顕現化した3/16週や直近3週のように、今後も一時的に上昇モメンタムが減速する可能性は否めない

◇それでも、テクニカルには「USD円相場の地合いは相当に堅固」であるため、今後(ペースは減速してゆくかもしれないが)2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライへ移行する可能性は依然として存続

◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは着実に進展」しつつあるとの認識を継続

□以上を踏まえ、引き続き「過度に予断を持つことなく」変化の兆しを見落とさぬ姿勢を維持した上で、終値が以下の水準を「突破or維持」できるかどうかに注目

1 162.15円=21日MA+3.09%

2 160.70円=21週MA+2.16%

3 160.20円=21日MA+1.86%

4 159.20円=21日MA+1.23%

5 158.05円=21日MA▲0.69%

6 157.70円=52日MA

7 157.30円=21週MA

8 155.70円=21日MA▲1.23%

>>>上記2(上方)6(下方)「抜けると加速する」と思われる水準

~以下では『短期・中期・長期の方向性』についての分析ポイント及び各時間軸での想定レンジをご案内します。(今号の分析は2026/4/17のNY市場終値をベースに実施) ~

以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド、52MA & 200MA」、RSI等 

短期(1週間~1か月)の方向性:上昇トレンドも、勢いの減退は否めず

上図は前掲(直近1年)分を直近2年分に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい

「上昇モメンタムに翳り / 21日MAが僅かに下落に転化」などやや懸念材料があるため、当面は「(大きく変動する前の)エネルギー充填期間」としての保合い推移となる可能性あり

=>ただし、『秩序ある上昇の体』は依然維持されており、最終的に『上昇サイクルは依然として存続』を確認する可能性が高いと認識

>>> 想定レンジ=今後1週間:158.05~160.70今後1ヶ月:157.30~164.20

➋週足チャート「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSI等

中期(1か月~半年程度)の方向性:上昇トレンドにあるも、当面は保合いの可能性

上図は冒頭掲載分の期間を4年強に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい

〇<テクニカルには「USD円相場の地合いは相当に堅固」であるため、今後(ペースは減速してゆくかもしれないが)2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライへ移行する可能性は依然として存続

◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは着実に進展」しつつあるとの認識を継続

>>>今後6か月間の想定レンジ 151.50~168.00⇒ 151.50~166.20

➌月足チャート「20MA±18.0%のバンド」「60MA±30.0%のバンド」、RSIを付記

長期(半年超~1年程度)の方向性:モメンタムに翳りなく超長期上昇トレンドは着実に進展中

◇上値抵抗線として機能していた2024年夏以降の下降トレンドライン(TL)突破が示現。その後、このTLは下値支持線に転化し、直近3か月も月内での『重要な底打ち/反発水準』としての機能を継続

◇かつて「RSIやストキャスティクスが警戒すべき高水準を長期間維持し続けることを可能にした“強固な地合い”」が徐々に回復しつつある 

□超長期時間軸では『着実な上昇トレンド』を堅持

>>> 今後1年間の想定レンジ = 147.30~171.75 ⇒ 147.30~168.90 =

<ファンダメンタルズ分析判断>

□先週の日米金融市場の変化(下表右端):中東情勢緊張緩和期待から一旦リスクオン

◆米国:中東情勢緊張緩和期待から金利低下/株価急上昇のリスクオン展開が加速

◆日本:中東情勢緊張緩和期待から米国同様のリスクオン。株式は急劇に上昇

◆USD円:中東情勢の緊張緩和期待による米金利低下にUSD指数・USD円共に弱含み

先週ご案内した通り、今週4/20付のweekly reportは筆者都合によりテクニカル分析のみの構成となっております。ご理解・ご了承のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

11月に米中間選挙を控え、足元で2期目の大統領就任以来最低を更新するなど低下傾向に歯止めがかからない支持率の回復を狙う米トランプ政権。しかし、年明け以降の「力による安定」をアピールしたい政権の政策に対する透明性や評価は決して高いとは言えないと思われます。これに伴って、足元における金融市場全体のボラティリティは一段と高まりこそすれ、落ち着き・低下することは中々想定しづらい状況です。

こんな状況だからこそ、 (いつも申し上げているとおり)今後も「過度に予断を持たず変化の兆しを見落とさぬ姿勢」を貫き、金融資本市場全体を引き続き注視してゆかねばならないと考えています。

お知らせ:今週はご案内しておりませんが、米国を中心とする「世界のインフレ・景気・金融政策」の現状分析、並びに短期を中心としたUSD円相場見通しについては、トレーダム為替アンバサダーでもある安田佐和子氏のレポート(Weekly Report等)に詳細かつ非常に解りやすく解説されています。

TRADOMユーザーの方々はサイト内で是非ご参照下さい。

                              2026/4/20

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