<テクニカル分析判断>
●短・中期:下値/上値の切上げは8週目に終息。根強い押し目買い圧力にもやや翳りが出来

■4/6週:「寄付159.60:157.89~160.02終値159.27、前週比▲0.39円の円高)」
◆前週4/6週も、週前半に160円台への上値模索が先行したものの、この水準からはかなり「強力な戻り売り圧力によって一旦反落の展開へ移行」を余儀なくされるパターンが継続。直近7週は下値/上値の切り上がりが続いていたが、これは先週8週目にして頓挫し、一時158円割れ(157.89)となった
◇しかし、158.00に接近すると逆に「根強い押し目買い圧力」が高まり、週末にかけては反発が中心の推移。結果的に連続陰線となったものの、直近4週は全て下ヒゲの長い形状となり「この水準からの根強い押し目買い圧力」は毎週着実に観測
◆それでも「終値で160円台を回復」するには至らず、結果として「前週比▲0.39円の円高」の159.27で越週した
●なお、週間変動幅は2.13円と、4/30週の2.19円からごく僅かに縮小。「秩序ある上昇」トレンドが続く
<上掲チャートのポイント(週足):中期時間軸>
〇4週連続で<前半下落、週央底打ちから週末にかけて反発>の展開。高値圏に接近したがゆえの「戻り売り圧力の高まり」の一方、「根強い押し目買い圧力」が確認できる
○なお、以下の点から『中長期上昇サイクルは依然として存続』の可能性が高いと判断
①「下値/上値の切り上がりは8週目で頓挫」したものの、4週前の小幅陰線から連続で、下ヒゲの長い足型が継続。『根強い押し目買い圧力』に支えられた上昇が維持されていることを示唆
②3週前には、2022年以来の5連続(超)の陽線とはならなかったものの、(E:158.88)以降は最長3週に止まっていた連続陽線が今般4週に進展し、(E)以前には多発していた「勢い」を回復した可能性あり
⇒終値で(E:158.88)を上回って以降、終値で(E)を下回ったことはないため、(E)は終値ベースのサポートラインに転じた可能性が高い

<上掲チャートのポイント(日足):短期時間軸>
●上記週足コメントご参照。週前半こそ反落が先行し21日MAを一旦大きく下回ったものの、週末にかけては大きく反発し21日MA超を回復。引き続き159円台での終値を維持
〇また、週間での底打ち後の「下値/上値の切り上がり」も継続し、根強い押し目買い圧力に支えられた「上昇モメンタム」が短期時間軸においても回復しつつあることを示唆
〇なお、一旦警戒水準近辺へ切り上がったRSIやストキャスティクスも、足元では双方共に「中立水準」へ十分に軟化。21日MAから大きく乖離していない現状は、依然として『上昇余地の残存』を示唆
=>以上の点から「上昇モメンタムにやや翳り / 21日MAが僅かに下落に転化」など若干の懸念材料があるものの『秩序ある上昇の体』は維持されており、短期時間軸においても『上昇サイクルは依然として存続』の可能性が高いといえる
以上より<今週のテクニカル分析の結論>は以下の通り
□日足・週足・月足(後述)の全ての時間軸において『力強い上昇トレンドが再び本格化しつつある』ことを確認済み
◆ただし、直近3週の160円台における戻り売り圧力も相応に強力であり「一旦上抜ければ上昇が加速する」と思われる「162.00への到達も容易ではない」模様。『5週続伸はならず』のアノマリーが顕現化した3/16週や先週のように、今後も一時的に上昇モメンタムが減速する可能性は否めない
◇それでも、テクニカルには「USD円相場の地合いは極めて堅固」であるため、今後(ペースは減速してゆくかもしれないが)2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライが継続する環境は着実に整えられつつあると認識
◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは再び堅固なもの」になりつつあるとの認識を継続
□以上を踏まえ、引き続き「過度に予断を持つことなく」変化の兆しを見落とさぬ姿勢を維持した上で、終値が以下の水準を「突破or維持」できるかどうかに注目
1 163.05円=21日MA+2.46%
2 ☆162.05円=21週MA+3.09%☆
3 161.10円=21週MA+2.46%
4 160.20円=21日MA+0.69%
5 160.95円=21日MA▲0.69%
6 ☆157.20円=21週MA☆
7 156.10円=21週MA▲0.69%
8 155.25円=21週MA▲1.23%
>>>上記2(上方)と6(下方)が「抜けると加速する」と思われる水準
~以下では『短期・中期・長期の方向性』についての分析ポイント及び各時間軸での想定レンジをご案内します。(今号の分析は2026/4/10のNY市場終値をベースに実施) ~
<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>
➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド、52MA & 200MA」、RSI等
短期(1週間~1か月)の方向性:勢いにやや翳りも上昇トレンドに著変なし

〇上図は前掲(直近1年)分を直近2年分に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい
〇テクニカルには「USD円相場の地合いは依然として極めて堅固」と考えられ、今後(ペースは減速してゆくかもしれないが)162円に向けた上値トライが継続する環境は着実に整えられつつある
=>短期時間軸においても『上昇サイクルは依然として存続』の可能性が高い
>>> 想定レンジ=今後1週間:158.05~161.10、今後1ヶ月:157.20~165.30=
➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSI等
中期(1か月~半年程度)の方向性:強固な地合いに支えられ162円台へ仕切り直し

◇上図は冒頭掲載分の期間を4年強に拡大。解説コメントについては既掲をご参照下さい
〇4週連続で<前半下落、週央底打ちから週末にかけて反発>の展開。高値圏に接近したがゆえの「戻り売り圧力の高まり」の一方、「根強い押し目買い圧力」が確認できる
○終値で「158.88」を上回って以降、終値でこの水準を下回ったことはないため、「158.88」は終値ベースのサポートラインに転じた可能性が高い
>>>今後6か月間の想定レンジ = 151.50~168.00⇒ 151.50~168.00=
➌月足チャート:「20MA±18.0%のバンド」「60MA±30.0%のバンド」、RSIを付記
長期(半年超~1年程度)の方向性:モメンタムに翳りなく超長期上昇トレンドは着実に進展中

◇上値抵抗線として機能していた2024年夏以降の下降トレンドライン(TL)突破が示現。その後、このTLは下値支持線に転化し、直近3か月も月内での『重要な底打ち/反発水準』としての機能を継続
●超長期上昇トレンドの鮮明化に伴い、ストキャスティクスはかなりの高水準へ差し掛かり、既にピークアウトの兆しも無いとは言えないが…
◇60ヶ月MA+30%の水準とは大きく乖離していることで「上昇の過熱」は全く感じられない
◇かつて「RSIやストキャスティクスが警戒すべき高水準を長期間維持し続けることを可能にした“強固な地合い”」が徐々に回復しつつある
>>> 今後1年間の想定レンジ = 147.30~171.75 ⇒ 147.30~171.75 =
<ファンダメンタルズ分析判断>
□先週の日米金融市場の変化(下表右端):中東情勢緊張緩和期待を巡り不透明感晴れず
◆米国:原油高の長期化懸念も軟調な経済指標に金利は前週比やや低下/株式は続伸
◆日本:原油高/円安で円金利大幅上昇も中東情勢の緊張緩和期待から株式は急反発
◆USD円:中東情勢の緊張緩和期待による米金利低下にUSD指数・USD円共に弱含み

◎前半のテクニカル分析では、ここひと月ほどと同様に以下を結論としました。「想定した160円台定着」に向けた動きは散見されるものの、中々顕現化しない点にやや懸念を感じ始めていると言ったところでしょうか。
<□日足・週足・月足の全ての時間軸において『力強い上昇トレンドが再び本格化しつつある』こと確認済み
◆ただし、直近3週の160円台における戻り売り圧力も相応に強力であり「一旦上抜ければ上昇が加速する」と思われる「162.00への到達も容易ではない」模様。『5週続伸はならず』のアノマリーが顕現化した3/16週や先週のように、今後も一時的に上昇モメンタムが減速する可能性は否めない
◇それでも、テクニカルには「USD円相場の地合いは極めて堅固」であるため、今後(ペースは減速してゆくかもしれないが)2024年7月の161.94円を超えて162円台へのトライが継続する環境は着実に整えられつつあると考える
◎短期的な自律調整を交えつつも「中長期的な円安/USD高トレンドは再び堅固なもの」になりつつあるとの認識を継続>
さて、先週グローバルに株式市場の急騰のキッカケとなった「米国とイランの両国が合意した『4/8~22までの2週間の一時停戦』」を経て、この週末には「米・イランの休戦協議」がパキスタンの仲介によって実現し、その結果が本日早朝に明らかになりました。
協議は21時間の長丁場の末に決裂し、トランプ大統領は「ホルムズ海峡の海上封鎖(逆封鎖)を宣言」しました。次回の協議に向けた予定が全くの白紙状態であるにも拘らず、米国は強硬措置で応じた格好となったようです。
本日早朝の段階ではまだ私も情報をきちんと整理できていない状態でしたが、このトピックについては、先ほど(4/13 10:00)チェックさせて頂いたトレーダム為替アンバサダーでもある安田佐和子氏が本日4/13付けのWeekly Reportに、詳細な解説をされています。私が見落としていた部分も含めて、このWRの一部を抜粋してご案内します。
<以下、安田佐和子氏の4/13付けWeekly Reportより>
―米・イラン和平交渉決裂、トランプ氏はホルムズ海峡の封鎖を宣言
米国とイランは4月11日、1979年のイラン・イスラム革命以降で最もハイレベルとなる対面での会談を行った。バンス副大統領は、会見で「21時間にわたり交渉を続けたが、合意には至らなかった。これは米国にとってというより、イランにとってより悪いニュースだ」と説明。「最終かつ最良の提案を残していく」と述べた上でパキスタンを後にした。
次回協議の予定は白紙だが、イラン側からは対話継続を示唆する姿勢がにじむ。ガリバフ国会議長はXへの投稿で「今回の交渉では(in this round of negotiations)」という表現を用い、次回協議の余地を示唆した。イラン外務省も、「いくつかの問題ではワシントンと理解に達した」との見解を表明したと報じられている。
しかしトランプ大統領はこうした動きに応じることなく4月12日、ホルムズ海峡の海上封鎖をトゥルース・ソーシャルの投稿で宣言した。「米海軍が即時に、ホルムズ海峡に出入りしようとするすべての船舶に対する封鎖措置の準備を開始する」とし、他国との協力による機雷除去、イランに通航料を支払った船舶への介入、攻撃を行うイラン側への武力行使も辞さない姿勢を明示した。さらに「適切な時期が来れば、米軍はイランに残された僅かなものを完全に片付けるだろう」と述べ、軍事的壊滅をも示唆した。米中央軍は、13日の米東部時間午前10時から行う予定を発表。ただし、他国がホルムズ海峡封鎖で協力するかは全く別の話で、既に英国は拒否したと報じられている。さらに、WSJ紙によれば、協議膠着を打破すべく限定的ながら攻撃再開も辞さない構えだ。WTI原油先物は再び100ドルを突破、欧州ガス価格も急伸した。
この封鎖宣言は、交渉の構図を根本から変える可能性がある。イラン側は米国との交渉で①ホルムズ海峡の主権、②濃縮ウランの保有――をレッドラインとしたと報じられるが、トランプ政権はこのうちホルムズ海峡の主権維持を、軍事力によって封じにかかったものと読むべきだ。これにより、米国とイランの間でエスカレーションが懸念される一方、クリントン政権で中東担当特使を務めたデニス・ロス氏は「封鎖はイランの輸出と収入を止め、イランがホルムズ海峡を閉鎖していることへの対抗策にもなる」と評価した。また、中国に対してもイランへの圧力を強めるよう促す効果があると指摘している。
イラン外務省は「2〜3の論点で意見が一致しなかった」との見解を表明したが、その論点こそホルムズ海峡の主権、核開発の権利、制裁解除(凍結資産)といった核心領域である。イラン国営放送が示したとされる4つのレッドライン――①ホルムズ海峡主権、②戦争賠償、③凍結資産の全面解除、④地域全体の包括停戦――は、米国が受け入れ得ない要求を含んでおり、交渉が短期で進展するようには見えない。
チャート:米国の15項目の和平案と、イランの10項目の和平案

米側は、イランと協議を行ったバンス氏が「核兵器を追求しないこと、迅速に取得し得る能力を追求しないこと」を最低条件として提示済みだ。「問題は、イランが核兵器を開発しないという根本的なコミットメントを長期的に示すのかどうかだ」とも述べており、将来にわたる拘束力ある約束をイランに求めていることが明確だ。米国とイランの協議は、平行線をたどっているように見える。このような局面で、プーチン大統領との電話会談でペゼシュキアン大統領が「均衡の取れた公正な米国との合意に向け完全に準備が整っている」と発言したと報じられた。ここが交渉の糸口となる可能性も否定しづらい。
イラン情勢は、トランプ政権の対中政策にも影響を及ぼし得る。トランプ氏はFOXニュースの電話インタビューで「中国がイランに肩撃ち式対空ミサイルシステムを供与する準備をしている」との報道に対し、「そうなれば、中国は大変なことになる」と指摘。さらに「イランに兵器を提供する国には50%の関税を課す」と4月8日に示した方針を繰り返し、中国も例外ではないと強調した。ただし、トランプ氏は「習近平国家主席とは非常に良い関係にある」と言及したうえで、中国がイランに武器供与しない考えを寄せた。対中警告を外交カードとして手元に残しつつ、5月14〜15日に予定されるトランプ訪中を前に、米中関係の不安定化を避ける意図がうかがえる。
以上を踏まえると、今後のイラン情勢は以下の3つのシナリオのいずれかに収束すると見られる。
- 危機管理シナリオ――封鎖は実施されるが双方が直接衝突を回避しつつ、膠着状態が継続
- エスカレーションシナリオ――海上での偶発的衝突やイランによる石油施設攻撃が引き金となり、軍事的対峙が一段階上昇
- 交渉再開シナリオ――封鎖という圧力を受けてイランが折れ、ペゼシュキアン大統領が示した「均衡ある合意」を軸に協議が再開へ
封鎖の実施そのものが既にエスカレーションの一形態であり、偶発的な衝突がより大規模な軍事衝突へと発展するリスクは現実味を帯び始めた。トランプ政権がホルムズ海峡封鎖というカードを切ったいま、焦点はイランがこの圧力にいかに応じるか――報復に出るか、交渉に戻るか――に移ったと捉えられよう。
<以上、安田佐和子氏の4/13付けweekly reportより一部を抜粋してご案内しました>
さて、この早朝のニュースを受けて金融市場では「中東(ホルムズ海峡)を巡る緊張の高まり“再び”」のムードが昂じ、本日の国内商品先物市場で、早朝から原油は急反発しました。既述の通り、米国とイランの戦闘終結に向けた和平協議が合意に至らなかったため、トランプ大統領は4/12に「米海軍がホルムズ海峡への船舶の出入りを封鎖する措置を始める」と表明しました。いつものことですが、原油の供給停滞が長期化するとの見方から買いが急増した格好のようです。
報道によれば、米国によるホルムズ海峡封鎖の開始時刻は米東部時間4/13午前10時(日本時間4/13午後11時)と伝えられています。しかしながら、(これもいつも申し上げていることですが)トランプ氏の発言は二転三転することが多く、実際に米国が同海峡の封鎖に踏み切るかどうかについては、私も含めて懐疑的な見方も少なくないようです。
日本時間4/13早朝の取引で米指標油種のWTIの期近5月物は一時1バレル105ドル台後半まで上昇しました。
仮に、米国による「逆封鎖」がなされれば、現在中国やインド向けとなっているイラン産原油の供給も滞ることになります。イラン産原油の輸出は3月には日量約180万バレルと、2月末の(米国・イスラエルによる)イラン攻撃前の2025年後半と比べて増加傾向にあったようです。
トランプ氏はイラン以外の原油の通航再開をもくろんでいるようですが「イランも米国も共に封鎖に動けば、結局どの船も海峡を通りにくくなる」のは必定。
米国とイランが再衝突し、イランが湾岸諸国への攻撃を拡大するリスクも再び意識され始めました。「サウジアラビアの東西パイプラインなどホルムズ海峡以外の輸送路への攻撃があれば、一段と供給が絞られる」との警戒も高まりつつあるようです。
あくまでも私見ですが「仮に、地上侵攻や戦闘の激化があれば投機の動きも加速すると考えられるため、“120ドル程度が上限”とされていた原油価格は一時的に130〜140ドル台まで跳ね上がる可能性もあるのではないでしょうか。
もちろんこのような状況になってくれば、他の金融市場にも多大な影響が出てきます。
今朝方、各市場の水準をチェックしていて特に目を引いたのが「長期金利(10年債利回り)」と「ユーロ円などのクロス円」の水準です。
既述の原油高は日本の金利を全般的に一段と押し上げています。長期金利は今朝方、29年ぶりの高水準まで上昇しました。ホルムズ海峡の封鎖が長引くとの見方から原油価格が急騰し、インフレと財政拡張への警戒が広がっているといえるでしょう。
長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時、2.49%に上昇(債券価格は下落)しました。売買高の多い「指標銘柄」が長期金利とされていた1997年6月以来29年ぶりの高水準だそうです。(当時、私はNYCに赴任していたため記憶が鮮明ではありませんが…)
直接的には「停戦に向けた米国とイランとの協議の頓挫」が金利上昇を促したと言えるでしょう。既述の通り、日本時間4/13朝の取引で原油価格が急上昇。これを受けて本日の国内債券市場ではインフレ上昇への思惑から債券売り圧力が強まったのです。
一般的に、2.5%は長期金利の適正水準と整合的とされています。適正水準は景気を熱しも冷ましもしない「自然利子率」と将来の予想物価上昇率にあたる「期待インフレ率」を足し合わせたものと同じ。
中長期的な自然利子率と概ね同じという潜在成長率は0.5%程度とされています。日銀の2%物価目標が実現するなら、期待インフレ率との合計は2.5%程度となり、足元の市場実勢に極めて近いといえます。
実際にはこれに、財政悪化への懸念や日銀の利上げの遅れなどのリスクに応じてプレミアム(上乗せ金利)が加味されるわけですが、原油高を起点にリスクがより意識されれば長期金利の水準は一段と切り上がります。現在の長期金利を取り巻く環境とモメンタムを考えれば「日本の10年債利回りは、2.5%を超えて上昇が続く可能性も否定できない」でしょう。
原油高を通じたインフレ圧力は、当然ながら(これまでも繰り返し指摘してきたように「インフレに脆弱な」)円にも強い下落圧力を与えます。本日の外国為替市場で対ユーロの円相場は一時、1ユーロ=186円90銭台に下落し、1999年のユーロ発足以降で最も円安/ユーロ高の水準となりました。中東情勢の緊迫が続き、原油高に伴う円売りが膨らんでいるわけです。
因みに、ユーロ円は本年1/23、一時1ユーロ=186.87円と、ユーロ発足以降の最安値をつけていました。前週末の4/10にも同水準まで下落する場面があり、本日4/13は市場参加者の多くが予想していたようにこの水準を下回って円安/ユーロ高が進んだのです。
米国とイランの和平交渉が頓挫した後、米国はホルムズ海峡への船舶の出入りを封鎖する措置を始めると表明しました。ホルムズ海峡を巡る混乱が長引くとの見方から、日本時間4/13早朝の取引で原油価格が急上昇したのは既述の通りで、エネルギーのほとんどを輸入に頼る日本の貿易赤字が拡大するとの思惑から円売りが広がっているとの見方もできます。
もちろん、欧州もエネルギーを輸入していますが「実に原油の90%以上を中東に依存している日本の円通貨には相対的に売り圧力がかかりやすい」わけです。
更に現在は、中央銀行の金融政策に対する思惑の差も円安・ユーロ高に傾きやすい状況にあります。
これも繰り返し指摘してきたことですが、主要国の金融政策の方向性は大きく変わりつつあり、年始に中立か利下げモードにあった欧州の中央銀行は、今や「年2回程度の利上げ」が確実視されています。
当然「原油高に伴うインフレを抑えるべく、ECBは利上げに動く」と目されている一方、(最近盛り返しつつあるものの)日銀の早期の利上げ観測はやや後退気味といえます。こうして、昨年とは逆の見通しが主流となってきており、現在は日欧の金利差拡大を見込んだユーロ買い・円売りの動きが出やすい環境になっているといえるでしょう。
米国とイスラエルによる2月末のイラン攻撃以降、元々取り歩調だったUSD指数は「有事のUSD買い」も手伝い上昇基調にありましたが、「一時停戦合意」を見た先週は「有事の…」要因が剥落し、週間としては数か月ぶりの下落幅を記録。主要6通貨に対してUSD独歩安の様相を呈しました。それでも円に対する下落幅はごく軽微に止まっています。先週も比較的詳細に取り上げましたが、主要国間で突出して低い(マイナスの)“実質金利”が円の最大の弱点」を始め、需給要因からの円売り圧力は相当強力であり、これが今回の(ユーロ発足以来の)「ユーロ円史上最高値更新の一因」となっているのです。
11月に米中間選挙を控え、足元で2期目の大統領就任以来最低を更新するなど低下傾向に歯止めがかからない支持率の回復を狙う米トランプ政権。しかし、年明け以降の「力による安定」をアピールしたい政権の政策に対する透明性や評価は決して高いとは言えないと思われます。これに伴って、足元における金融市場全体のボラティリティは一段と高まりこそすれ、落ち着き・低下することは中々想定しづらい状況です。
こんな状況だからこそ、 (いつも申し上げているとおり)今後も「過度に予断を持たず変化の兆しを見落とさぬ姿勢」を貫き、金融資本市場全体を引き続き注視してゆかねばならないと考えています。
お知らせ➊:来週4/20付のweekly reportは筆者都合によりテクニカル分析のみの構成となります。
ご理解・ご了承のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
お知らせ➋:今週はごく一部だけのご案内となりましたが、米国を中心とする「世界のインフレ・景気・金融政策」の現状分析、並びに短期を中心としたUSD円相場見通しについては、トレーダム為替アンバサダーでもある安田佐和子氏のレポート(Weekly Report等)に詳細かつ非常に解りやすく解説されています。
TRADOMユーザーの方々はサイト内で是非ご参照下さい。
2026/4/13
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