ダウ平均が「調整相場」入り
羽土 美幸
この記事の著者
国際金融情報部 アナリスト

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。

2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

為替の仕組み


先週の米国株式市場ではダウ平均が0.90%安、ナスダック総合が3.23%安とそろって5週続落となりました。

週明け月曜日は、トランプ米大統領が米国によるイランの発電施設への攻撃を延期すると発表したことで、イラン紛争の終結期待や原油価格の下落が好感され上昇してスタートしましたが、米国とイランの停戦協議に進展がなく、紛争長期化懸念から原油相場が大幅に反発したことが嫌気されました。

ナスダック総合は木曜日に最高値から10%超下落し、「調整相場」入りとなり、ダウ平均も金曜日に「調整相場」入りとなりました。機関投資家が運用のベンチマークとするS&P500も最高値から約9%安となり、「調整相場」入りが目前となりました。

3月月初来では、ダウ平均が7.78%安と11カ月ぶりの大幅反落ペースとなり、ナスダック総合は7.59%安と大幅に2カ月続落ペースとなりました。

年初来ではダウ平均が6.03%安、ナスダック総合が9.87%安となりました。



米国の優良株で構成されるダウ平均は2月10日に終値で50188.14ドルを付け、過去最高値を更新しましたが、先週末は45166.64で終了し、最高値からの下落率は10.01%となりました。

直近高値から10%以上下落した場合は「調整相場」とされ、それまでのトレンドが一旦終了し、一時的に価格が逆方向に修正される展開となります。

株価がさらに下落し、直近高値から20%以上下落した場合は「弱気相場」とされ、株価の下落が長期間続く局面で、市場心理の悪化により売りが連鎖する状況です。「弱気相場」は回復までに数年かかることもあります。

現在は「調整相場」に入った直後であり、「弱気相場」入りする水準の40150.51ドルまでは5000ドル以上ありますが、イラン紛争の長期化や、ホルムズ海峡封鎖による原油価格のさらなる上昇、米国でのインフレ高進、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ転換などのリスクが意識されており、「弱気相場」入りの可能性も警戒されています。



ダウ平均は2月10日終値の50188.14ドルから3月27日終値の45166.64ドルまで5021.50ドル下落しましたが、ダウ平均構成銘柄の指数寄与を見ると、ゴールドマン・サックスがマイナス899.48ドルとなり、下落寄与トップとなりました。

同期間の下落率は15.40%で30銘柄中ワースト8位でしたが、株価水準が800ドル台と30銘柄の単純平均の240ドルに比べ大幅に高いことが最大の押し下げ要因となりました。

下落寄与の2位以下は、アメリカン・エキスプレスが436.89ドル(-19.53%)、ホーム・デポが418.83ドル(-17.46%)、マイクロソフトが347.85ドル(-13.67%)となりました。時価総額最大のエヌビディアも11.15%安となりましたが、下落寄与は129.41ドルにとどまりました。

一方、ダウ平均を最も押し上げたのはシェブロンで、上昇寄与177.86ドル、上昇率15.85%でした。このほか、ベライゾン、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソンも、それぞれ10ドル強のプラス寄与となりました。


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2026年3月31日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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