トレーダム為替ソリューション 【AI為替リスク管理システム】

  • 8月は円高アノマリー
    山下 政比呂
    この記事の著者
    DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

    証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラー業務(スポット、スワップ、オプション)に従事。プライベートバンクでは、為替のアドバイサーとして円資産からドル建て資産への分散投資を推奨してきたドル高・円安論者。「酒田罫線法」「エリオット波動分析」「ギャン理論」などのテクニカル分析をベースに、ファンダメンタルズ分析との整合性を図り、相場観を構築。2016年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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    ドル円の短期的なテクニカル分析は、依然としてドル高・円安を指向しています。

    上値目標値は、144円処として、142円のドル買いポジションを堅持し、144円で途転売り持ちに転じるシナリオを継続しておきたいと思います。

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    【戦略(2023年8月8日週)】

    ・ドル買い持ち:@142.00円 ⇒ ストップロス@141.00円(※転換線:140.98円)

    ・利食い&途転売り持ち:144.00 ⇒ストップロス@146.00円

    1.8月は円高アノマリー

    金融市場では、8月は市場参加者がバカンス気分で油断しているせいなのか、金融危機に襲われがちな季節としてトラウマになっています。今年の8月のリスクは、日本銀行のイールドカーブコントロール(YCC)運用柔軟化によるレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)、米国債格下げによる米国債券市場の変調、などに要警戒となります。

    今週は米国債の入札が控えています。8日(火)に3年債(420億ドル:前回から20億ドル増額)、9日(水)に10年債(380億ドル:前回から30億ドル増額)、10日(木)に30年債(230億ドル:前回から20億ドル増額)が予定されています。

    また、来週8月15日付近では、米国債の償還・利払いが予定されており、本邦機関投資家のレパトリに要警戒となります。

    2.中長期テクニカル分析

    ■長期テクニカル分析:第4調整波動を形成中

    ドル円高値8年サイクルで、2022年10月21日の高値151.95円でピークアウトしたと仮定します。

    サブシナリオ(1)として、2023年6月30日の高値145.07円

    サブシナリオ(2)として、2023年後半のV計算値152.70円(125.86円+26.84円)も想定しておきたい。

    【エリオット波動分析】

    ・第1上昇波動:75.32円~125.86円 (+50.54円)

    ・第2調整波動:125.86円-101.19円

    ・第3上昇波動:

    1)151.95円(=151.73円=101.19円+50.54円)

    2)152.70円(V計算値=125.86円+26.84円)

    ・第4調整波動:151.95円~126.00円

    ・第5上昇波動:176.40円(※2031年:逆ヘッド・アンド・ショルダーの目標値)

    ■中期テクニカル分析:三角保ち合いの上辺144円台を目指す上昇トレンド

    第4波動としての三角保ち合い(底辺:126.36円-151.95円)を形成中であり、現状は145円付近を目指す上昇波動を形成中です。

    三角保ち合いの上値抵抗線(151.95円⇒145.07円)は、毎日4銭低下しており、

    8月7日は144.03円、8日は143.99円、9日は143.95円、10日は143.91円まで低下していきます。

    本記事は2023年8月2日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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