トレーダム為替ソリューション 【AI為替リスク管理システム】

  • 【為替リスクとは?】海外取引をする上で知っておくべき知識を徹底解説!
    浦島 伸一郎
    この記事の著者
    トレーダム co-CEO&CTO

    プロフィール:外資系証券会社で、オンライン証券取引システム、証券決済システム、米国国債・欧州国債・日本国債などの国債取引所の開発および運営を担当、その後国内証券会社、FX業者などを経て2016年より現職。フィンテックベンチャー企業の経営と、為替リスクヘッジシステム、システム売買ロジックの開発を行う。

    為替リスク管理

    為替リスクとは?

    外貨為替相場の変動によって、損失が発生するリスクのことを指します。国内の企業間で取引を行う際は円による価値は変動しませんが、海外の企業とやり取りをする場合は為替市場が営業している時間は常に価値が変動します。外貨の保有または外貨建ての商品を一定期間保有する場合には、必ず為替リスクが発生します。

    企業が直面する為替リスク例

    一番多いケースは、海外企業と商品取引を行う場合です。例えば、商品原価5万円の自社製品を1000ドルで1年後に販売する契約を結んだとしましょう。契約時1ドル=150円、契約から1年後1ドル=100円のように為替が変動した場合、契約時に期待していた販売利益は10万円、しかし取引実行時の実際の利益は5万円となります。販売価格や商品原価は変わらなくても為替変動と契約内容次第で利益は大きく変化します。

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    次に海外金融資産への投資の例をご説明します。ドル円レートが150円のときに1万ドル(150万円)、金利7%の商品に投資し、1年後にドル円レートが135円に下落した場合について考えてみます。

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    上記の表に記載の通り、ドル円レートが150円のままであれば為替差損益を含めたリターンは+7.0%ですが、ドル円レートが135円に下落すると、リターンは―3.7%と損失が発生します。時に為替差損がリターン以上に大きな影響を及ぼす可能性があることが分かります。

    また、海外企業との取引が無いから為替リスクが無いとも限らず、取引先が海外と取引している場合に値上げ影響を受けたり、余剰金投資で財務に影響を受けたりしている事もあります。グローバル企業が増える中で為替リスクは非常に身近な問題であり、理解していく必要があります。

    為替ヘッジ

    為替リスクを低減させる手法として、為替ヘッジが存在します。為替ヘッジの主な手法として、将来取引する際の為替レートを事前に決定する先物取引が挙げられます。契約時のレートで今後1年間取引を行う内容で契約した場合、為替差損のリスクはかなり低減されます。しかし、ドル高に進んだ場合には利益の機会損失になるため将来の展望を見極めて選択することが求められます。実際に先ほどの例と同じ商品条件で為替ヘッジを行った場合の変動シミュレーションをしてみます。

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    上図の様に、1ドル=150円の固定契約で為替ヘッジを行い、将来1ドル=200円に変化した場合は5万円分の機会損失です。反対に、1ドル=100円に変化した場合は5万円の損失回避です。この様に機会損失は起こりますが、実際の為替差損は避けることが出来ます。為替ヘッジには通常手数料が必要ですので、それらを含めて検討しましょう。

    他の為替ヘッジ例として自国通貨建で契約を結ぶ手法もあります。先ほどの例で表現すると、必ず10万円の利益を確保するために1商品につき15万円分のドルで取引するという手法です。この場合は、円ベースで損をすることが回避できます。

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    立場による為替ヘッジの展望

    為替ヘッジは、将来の為替リスクがどちらに傾くかを判断して行います。商品を売る立場、買う立場によって視点が変わります。先ほどの例は輸出側の見解であり、円安になるほど円ベースで利益が増えます。しかし、輸入側の見解では反対に円高に傾くと利益が増えます。仕入れ価格が1000$、売値が25万円として、ドル円レートが150円から変動した想定を下記の図に表します。

    輸入側は1ドル=200円になったとき利益が5万円と半分になり、1ドル=100円になったとき利益は20万円と倍です。この様に輸出側と輸入側では、円高と円安に関する考え方は異なります。そのため、為替ヘッジは見通しに対して自社に為替リスクを感じる時に行います。

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