TRADOM(トレーダム)では、海外取引に携わるすべての企業が為替リスクのコントロールをするうえでヒントとなる情報を提供しています。この度、 […]
繊維や素材の開発から販売までを行い、海外にも数多くの製品を輸出している株式会社アイ.エス.テイ。
輸出企業にとっては好条件となる円安の状況下で、どのようにトレーダムを活用いただいているのか、経理部Directorの仲原様にお話を伺いました。
ー 事業内容について教えて頂けますか。
当社は【不可能を可能にする】をミッションに、高付加価値な素材やその製造技術、製造設備、検査技術、検査装置の研究開発から製造・販売まで一貫して手がけているマテリアルブランドです。
高耐熱素材の代表であるポリイミド樹脂をはじめ、高機能強化繊維、高付加価値繊維素材などを独自で開発しています。自社開発したレーザープリンターのトナー定着用チューブは、発売から35年を経過した現在も世界シェア70%以上(技術供与分を含む)を占めています。 また、テイラーやカスタムメイドゴルフシャフトなど、コンシューマ―事業も展開しており、国内外の様々な企業様・個人のお客様へ素材を提供しています。高度な開発技術と、そこから生み出される高機能素材を軸に、「原料から完成品まで」「あらゆる分野へ」と事業拡大を進めております。
ー ドル建ての取引はありますか。
製造拠点は日本国内に4カ所、海外拠点も2か所(アメリカ・中国)あり、原料のほとんどはドル建てで仕入れています。
当社は商品の多くを海外向けに輸出しているので、仕入れに比べても、ドル建ての売上げが多く、ドルが溜まっていくスキームになっています。
ー ドル建ての取引では、為替変動を商品代にも反映されていますか。
輸出取引のほとんどの売上がドル建てとなっているため、近年のドル高/円安の環境下では、為替変動による影響は価格転嫁できているといえます。しかしながら、ドル安/円高になった場合には、円建で発生するコストを、為替変動を理由に取引価格を取引先へ転嫁するのは相当厳しいのが実情です。
リーマンショックの時は、流通の減少に加え、円高で円転後の売り上げも減り、とても大変でした。 1ドル 75円台という時もありましたが、今の2分の1ほどの為替になっても、価格転嫁は容易でないので、そのバランスが非常に難しいです。
ー 最近の為替変動はどのように影響していますか。
3、4年前までは100円や110円で採算を取れるようにと考えていたことを思うと、直近の為替市場は当社にとってはぬるま湯状態とも言えるのかもしれませんが、最近でも一時期1ドル140円を切った時には、「この先どんどん円高に進んだら・・」という不安や緊張感はありました。
当社は為替変動による業績への影響がとても大きいので、円高に振れたときのヘッジ活動は常にしておく必要があると思っています。日々の為替変動に対して一喜一憂するのではなく、ある程度普段からリスクを吸収できるような仕組みづくりが必要だと考えています。
ー トレーダムの話を聞かれたときは印象としていかがでしたか。
為替は予想できるものではないという認識があったので、面白いなと思いました。 今後円安に行く、円高に行くという大きな指針はもちろんあるとは思いますが、例えば過去にもアメリカの大統領選の時、結果次第では絶対円高になるであろうという話があり、社内でも「今、円転しておくべきだ」という意見が出たにも関わらず、実際は円安に触れたということもありました。
そのため、そういったイベントに左右されるのではなく、為替に関しては一定のしっかりとしたルールを社内で整備して、それに基づいて処理ができれば、経理担当としては一番有難いことです。それを実現してくれそうだったのがトレーダムでした。
ー トレーダム導入前は、為替に関してどのような社内ルールを取られていたのですか。
為替予約は導入していなかったので、定期的にスポットで円転していました。
現在も続けているのですが、具体的には月次のドル残高を計算し、第2木曜日と第4木曜日にスポットレートで円転するということは以前からルール化していました。
ー トレーダムを導入したことによって、どのように変わりましたか。
リスク管理として採用したトレーダムの導入をきっかけに、予約取引を開始しました。
今は第2木曜日と第4木曜日にスポットで円転することに加えて、トレーダムが予測した6ヶ月先までの為替予約を並行して行っています。
今はトレーダム上でドル残高の30%のみ為替予約を入れるという設定にしているのですが、もともとヘッジがなく、為替予約は行っていなかったので、10割スポットで円転していたものを7割だけのスポット円転に変え、残りの3割は為替予約を入れるというイメージです。
これにより、急激な円高に耐えるような仕組みができました。
現在は30%をトレーダムの割合としていますが、今後パーセンテージをどこまで増やすかを議論していく可能性もあると思います。
トレーダムはお気に入りのシステムで、常に立ち上げている状態です。
おかげで毎日為替を確認するようになりました。
ー 実際に導入されてよかった点はありますか。
経理を管理する立場からすると、トレーダムの予測に従うことで、システムのルールに則り業務を遂行することができることがとても有難いです。
為替のリスクヘッジの手法というのは数多くあると思います。しかし、実際にはどの情報を持って当社に合うスキームに落とし込むかが問題で、その問題を解決できる手法をこれと決め切れるものに出会えていませんでした。
それをバチッと決めることができたのがトレーダムでした。
トレーダムは、「こういうルールの下、この方針で円転する。予約を入れる。」という指標をぶれることなく提供してくれます。これまでにかかっていた世界情勢や経済・金融情勢などの情報収集や、それに基づく意思決定の社内プロセスなど、多大な時間と労力が削減でき、為替ヘッジにおける業務効率が格段に上がりました。この効率化は、為替ヘッジのみならず、トレーダムシステム運用にかかる費用を考慮しても十分に余りある会社への利益をもたらしてくれており、とても感謝しています。
嬉しいお言葉ありがとうございます。
円安の時にも、円高への備えとしてトレーダムがお役に立てているというお話はとてもありがたく、今後も頼って頂ける存在でありたいと強く思いました。
また、毎日トレーダムを開いて下さっていると伺い、大変嬉しく思います。
これからもより良いサービス・情報を提供し、ご利用頂く皆様に益々気に入って頂けるトレーダムに成長していけるよう努めてまいります。
この度は貴重なお話を有難うございました!
株式会社アイ.エス.テイHP:https://www.istcorp.jp/
※掲載内容はインタビュー当時のものです。
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