【ボラティリティ】あればいいというわけではない
川畑 琢也
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

為替の仕組み

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。

さて、今回はドル円についてです。

タイトルにある「ボラティリティ」ですが、一般的には「価格変動の度合い」などと解されます。

トレードするにあたっては、相場に動きがないと商売上がったりです。

かといってありすぎても「手が出ない」「すぐにストップが成立してしまう」という弊害もあります。

過ぎたるは及ばざるが如し、でしょうか。

皆様の参考になれば幸いです。



早速ですが、ドル円の3月と4月(15日まで)の、一日の平均値幅を振り返ってみました。

3月:1.39円

4月(~16日):2.53円

うち、2円以上の値幅となったのは、3月はわずか2日でしたが、4月は前半だけでも8日となっています。

一日の平均値幅、そして2円以上動いた日数のいずれをとっても、現時点での4月相場は3月よりもボラティリティが高いといえます。



トレードする人、特にデイトレードやスキャルピングといった短期で売買する人にとって、値幅は売買収益の源なのである程度は必要です。

しかし、あまりにも毎日大きく動いていると、時としてエントリーや損切のタイミングがつかめないこともあります。

こちらは14日の記事です。

ドル円、売るなら前週末高値144.64円をバックに、早朝に付けた144.31円など144円台前半を目処に。一方向な動きが続いているので、利確・損切りは50銭幅のトレイリングストップも一案か。モニターに張り付いていれないのなら、荒れた相場は入れたらラッキーくらいの気持ちでいいかも。

記事を出した後の戻りは144.08円付近に留まり、あと一歩のところで売は成立しませんでした。

144.00円や144.30円といった具合に売り場を分散できればよかったのですが、これだけ値動きが大きいと、いつもと同じ感覚でストップを出したらすぐに成立してしまう恐れもあっため、どうにも腰の引けたトレードなってしまいました。

取れるリスクから逆算して考えると、今回のように「出来れば引き付けて」となるのは、ある意味仕方のないことです。

こういう時はリズムを崩さないようにしつつ、入れる場所があったら入るくらいのゆとりを持ってトレードするのが良いのではないかと思います。

※Trading Viewより



なし


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2024年4月18日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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