前回で実質実効為替レートについてお話ししましたが、実は昨年に円の実質実効為替レートは約50年ぶりの水準に低下しています。実質実効為替レートは […]
今回解説していく通貨はNZドル米ドルです。NZ準備銀行(RBNZ)は前回の会合で政策金利を5.50%まで引き上げた一方、声明文では金利はすでにピークを迎え、来年半ばまで同水準にとどまるとの方針を示唆しました。これに対して米連邦公開市場委員会(FOMC)は追加利上げ姿勢を崩しておらず、今後はNZ・米国間の金利差も縮小していく見込み。
来週(12日)にはRBNZの金融政策決定会合が控えていますが、その前にチャート上でもNZドル米ドルの状況を確認していきましょう。
NZドル米ドル週足分析
下図のチャートはNZドル米ドルの週足チャートになります。長期視点では2021年2月高値を始点とする下落トレンド(黄色実線)が継続中。また、昨年10月からの調整を経て今年2月高値を始点とした下降トレンドライン(黄色点線)も引くことができそうです。
一方、下値のターゲットは過去に2度下げ止まった0.55米ドル前後(2020年3月19日安値の0.5470米ドル、2022年10月13日安値の0.5512米ドル)となります。
NZドル米ドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。今年2月高値を始点とした下降トレンドライン(黄色点線)は週足分析で紹介したものと同じものです。今回はチャート下部に「MACD」も加えてみました。MACDは細かく上下を繰り返しながらも、執筆時点(6月30日)では負の値となっており、現在が下落トレンドであることを示しています。
週足分析でも確認したように、基本的には現在下落トレンドにあると言えるでしょう。ここからのターゲットですが、5月31日安値の0.5985米ドルが目先の目標。前回の下落時には0.6000米ドルの大台割れ水準で押し目買いが入っており、同水準付近をしっかりと下抜けられるか注目されます。
また、今回は下降トレンドライン(黄色点線)を基に「チャネルライン」も引いてみました。0.5985米ドルを下抜けて以降の話となりますが、チャネルライン(青色点線)は本日(5日)時点で0.5900米ドル付近、1か月後には0.5850米ドル付近まで低下する見込みとなっており、こちらにも注目しておきましょう。
一方、上値は6月16日高値の0.6248米ドルが目先の目処に。前述の下降トレンドライン(本日0.6300米ドル付近、1か月後0.6250米ドル付近)、5月11日高値の0.6385米ドルと続きますが、下降トレンドラインを上抜けるような場合は下落トレンドの見直しが必要になります。
今後のイベントは
最後に今後1か月間の重要イベントも確認しておきます。注目は7月12、26日に公表されるNZ・米国の金融政策。両国の政策金利はもちろん、今後の金融政策方針を声明文などから探りたいところです。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
7月7日 米国 6月雇用統計
7月12日 NZ RBNZ(NZ中央銀行)政策金利
7月12日 米国 6月消費者物価指数(CPI)
7月19日 NZ 4-6月期四半期消費者物価指数(CPI)
7月26日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利(会合後にFRB議長の定例記者会見)
7月27日 米国 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
7月28日 米国 6月PCEコア・デフレーター
8月4日 米国 7月雇用統計
本記事は2023年7月5日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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