―Executive Summary― 目次1.前週の為替相場の振り返り=ドル円、146円を超え約1カ月ぶり高値つけた後は失速 【 […]
(参考画像URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DM40Z10C23A1000000/)
今回はユーロ経済の中心的な役割を担うECBについて紹介します。ECBの役割と各国の中央銀行との違いについてわかりやすく説明をしますので参考にしてください。
目次
Q1:そもそもECBとはなんですか?
ECB(European Central Bank)とは欧州中央銀行のことで、1998年6月に設立されました。
ECBはユーロ圏諸国の金融政策を担っています。
本部はドイツのフランクフルトにあります。2023年10月現在のユーロ参加国は以下の通りです。
金融政策とは、中央銀行(日本であれば日本銀行)が行う経済政策のことです。
経済を持続的に拡大させることを目的にお金の流通量をコントロールしたり、金利を上げ下げして物価の調整を図り、通貨の安定を図る政策のことになります。
Q2:中央銀行の役割を教えてください。
中央銀行は以下の3つの役割を持っています
これらに加えて適切な金融政策を行い、経済を円滑にする業務に従事する機能を果たす金融機関です。
Q3:ECBの政策はどのように決められますか。
ECBの政策は、ECB理事会によって決められています。
ECB理事会とはユーロ圏諸国の金融政策を担うECBの最高政策決定機関のことです。
ECB理事会の現在の構成メンバーは総裁、副総裁、理事4名、ユーロ圏の各国中央銀行総裁20名です。
ECB政策理事会のうち金融政策に関する会合は、原則6週に1回のペースで木曜日に開催され、その決定及び理事会後に開催される総裁の記者会見はマーケットからの高い注目を集めます。
Q4:日本や米国の中央銀行とECBには違いがあるのでしょうか?
日本銀行は日本の中央銀行、FRBは米国の中央銀行としてその国の金融政策の決定などを行うのに対して、ECBはユーロ通貨圏に参加する国々の統一的な金融政策などを決定する機関として設立されました。
同じユーロ通貨圏に属していても、国によって経済状況やインフレ状況は異なります。それを踏まえた上で統一的な金融政策の決定を要求されるECBは他の中央銀行よりも難しい舵取りを要求される側面があると言えます。
Q5:ECBの目的と体制について教えてください。
ECBの主な目的は物価の安定です。具体的には前年比でプラス2%の物価成長というのを目標としています。
この2%という数字は日本銀行やアメリカのFRBもほぼ同じ目標を掲げています。
2%の物価上昇というのは、景気は順調に保ちつつ企業の業績や給料も上がり、そして商品やサービスも売れるといわれている水準です。
ECBは物価成長の調整のために量的もしくは質的な干渉を行います。
量的というのは市場に出回る貨幣量に関したアプローチで、質的というのは金利に関するアプローチをすることです。
どちらのアプローチも物価の調整を図ることは可能なのでECBは必要に応じて金利の上げ下げや紙幣の発行などを決定しています。
物価の安定を目指すべく金融政策を実施するECBですが、体制面においては政策理事会という組織が重要になっています。ECBと一口にいってもその中には大きく3つの区分があります。
それぞれが金融政策の実施・政策の決定・中央銀行間での連携など行っていますが、真ん中にある政策理事会の動きが主に注目されます。
なぜなら金利を引き上げたり市場に出回る貨幣量を調整するその決定がこの政策理事会によって確定されるためです。
Q6:ECBの今後について教えてください。
2016年にイギリスがEUから離脱するなど、ユーロ圏は決して盤石とはいえません。
ユーロには、経済規模の違う様々な国が参加をしているため、参加国すべての国が望む金融政策を取るのが難しいのも要因です。
ユーロは、アメリカドルに次ぐ世界第二の取引量を誇り、貿易の決済通貨や世界各国の外貨準備のための通貨としてもドルに告ぐ地位を占める非常に重要な通貨です。
今後、ユーロが確固たる地位を築くためにはECBがどのような舵取りをするかによって大きく左右されるでしょう。
世界経済に大きな影響与えるECBに興味を持っていただければ幸いです。
関連記事
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!