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金融商品には株式、債券、預貯金・ローン、外国為替などがありますが、これら金融商品のリスクを低下させたり、リスクを受入れ高い収益性を追求したりする手法として考案されたのがデリバティブです。
デリバティブ(derivative)という単語の意味は「派生的、副次的」で、もともとある何か(=原資産)から派生的、副次的に発生したものという意味です。金融商品のデリバティブは、日本語では一般に「金融派生商品」や「派生商品」などと訳されています。
一例として、日本を代表する株価指数の日経225先物 は、株価を原資産とするデリバティブ(株価指数先物取引)で、将来の日経225(先物)の価格を基準として取引を行います。例えば2023年3月の日経225先物を 27,000円で購入する場合、2023年3月の日経225が30,000円になれば 30,000 – 27,000 で 3,000 円の収益になり、24,000円になれば、24,000 – 27,000 で ▲3,000円の損失になります。
日経225先物は実際に存在する株式ではなく、日本経済新聞社が選ぶ225種類の代表的な銘柄の株価を基に計算された値(株式指数)です。また、現在の価格ではなく将来の価格(先物)で取引を行っています。このように実際には存在しない金融商品の取引や、未来の価格を基に取引を行うような、一般的な取引と異なるものは全てデリバティブに分類されます。
ここで、デリバティブの一種である、商品先物取引の例について説明します。
こちらはトレーダムのキャラクター「カワセ博士」とカワセミの「カワセアイ」の対話形式で解説します。
カワセアイ:「デリバティブ」ってどんなもの?
カワセ博士:「デリバティブ」は、日本語で「金融派生商品」で、通常の取引とは異なる商品や取引の形式のものが「デリバティブ」と言われている。
カワセアイ:通常の取引と異なるってどういうこと?
カワセ博士:例えば、貴金属店で金を買う場合を考えてみる。今は金1gが約9,000円なので、お店に行って9,000円払い、1gの金を受け取るのが通常の取引。
カワセアイ:普通に金を買うってことね。
カワセ博士:これに対し、例えば半年後に金1gを9,300円で買う約束をするとデリバティブ取引になる。
カワセアイ:つまり未来の取引の約束をするということ?
カワセ博士:その通り。デリバティブ取引で、未来の取引の約束をする。
カワセアイ:なぜ今買わないの?
カワセ博士:リスクを取って、資金効率を高めるためにやっている。
カワセアイ:「資金効率を高める」ってどういうこと?
カワセ博士:例えば、今金1gを9,000円で買って、半年後に9,500円(+500円)になったとする。9,000円の元手で+500円なので、500/9,000×100=5.5%増えたことになる。
カワセアイ:半年で+5.5%はなかなかよね。
カワセ博士:次に、半年後に9,300円(9,000円+手数料300円)で買う約束をした場合にどうなるかを考えてみる。
手付金として代金の20%(9,300x0.2=1,860円)を預け、半年後に9,500円(+200円)になったとすると、200/1,860×100=10.7%増えたことになる。
カワセアイ:半年で+10.7%になるんだ。利益が少ないのに利回りが増えるのはなぜ?
カワセ博士:半年後に金を買う約束して、半年後に金を買うと同時に金を売ると、実際には代金の全額を払うことなく、売り買いの差額を決済できる。
初めに金を買うと、9,000円が必要になるけれど、後で買う約束をして手付金(20%)だけを渡す場合は、少ない元手(9,300円x0.2=1,860円)で取引できる。だから手数料(300円)を払っても、効率がいい。
カワセアイ:でも、はじめに金を買うと+500円で、後で買う約束をすると+200なので、はじめに金を買った方が得してるよ。
カワセ博士:半年後に金を1g買う約束をする場合は、手付金(20%)が1,860円なので、9,000円の元手があれば 7,440円の手付金を渡して4g を買う約束ができる。4g の取引をすると、200円x4=800円の得となる。
カワセアイ:なるほど、デリバティブは同じ元手でたくさんの取引をすることができるんだね。
カワセ博士:そう。デリバティブ取引をすることで、同じ元手でたくさんの取引をすることができるので、大きな利益が出たり、逆に大きな損失が出たりすることがある。
この例では、デリバティブの中でも「先物取引」について説明したが、これ以外にも「オプション取引」、「スワップ取引」がある。
一例として「金(商品)」を原資産として、将来の取引の約束をする「先物取引」について説明しましたが、様々な金融商品を原資産とし、様々な取引手法と組み合わせものがデリバティブです。
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