―Executive Summary― 目次1.先週の為替相場の振り返り=ドル円、日銀金融政策決定会合を挟み乱高下2.主な要人発言3.主な経 […]
米大統領選
米国は、世界一の経済・金融・軍事大国で、基軸通貨のドルを法定通貨としている国です。そのため、米国の経済政策や財政政策は、世界的に大きな影響を与えることが多く、米国の国家元首で連邦政府の長にあたる米大統領を決める選挙は、世界中から大きな注目を集めています。
米大統領選は一般に4年ごとに実施され、11月第1月曜日の翌日に有権者が投票を行う「一般投票(本選挙)」が行われますが、立候補者の選挙活動、各党が大統領候補者を選出するために行う予備選挙や党員集会などのイベント、一般投票のあとに行われる選挙人投票などの、大統領選出までに行われる一連のプロセスの総称を米大統領選と呼びます。
大統領選に標準を合わせて景気刺激策を打ち出すことから、立候補者の奮闘ぶりは金融相場全体に影響を与えます。
米大統領選の年はドル高になりやすい
為替相場に影響を与える要因は多く、米大統領選もあくまでも一つの要因に過ぎないですが、4年に一度の米大統領選の年はドル高になりやすいと言われています。
その理由として、
・大統領選の年は、その時の大統領が選挙を意識して「強いドル」を国民に印象付けるようとする傾向がある。
・選挙の年を意識し、大統領が景気浮揚を狙った景気政策をとる傾向があり、経済成長率の高まりがドル高につながることがある。
ドル円相場で見てみると、1984年以降で大統領選挙が行われた年は、10回中7回がドル高傾向でした。直近でいうと2008年がドル安でしたが、リーマンショックの年であったことを考えると例外的といって良いでしょう。
また、選挙の翌年も過去7回がドル高になっています。大統領選挙が終わり、政治的な不透明感が払拭されたことで市場に安心感を与え、大統領就任1年目はドル高が進みやすいと言われています。
民衆党VS共和党
政権政党が代われば当然、政策も変わる可能性が高く、それによって為替市場ではドル相場に影響が出ることも、十分に考えられます。
近年では民主党政権下ではドル高、共和党政権下ではドル安の傾向が見られます。1973年以降の米大統領選挙では、共和党が7回、民主党が6回勝利し、ほぼ五分五分となっています。
これらは、いずれも論理的に説明のつかないアノマリーであり、また、必ずしも今後の選挙結果とドル円相場の変動にあてはまるとは限りません。出身政党に注意を払うよりも、新大統領の経済政策や通貨政策を重視すべきであり、何よりも当局の金融政策決定などに注目しなければなりません。
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