外貨の売買を契約した時から、実際に外貨の受け渡し(売買の実行)が行われるまでの期間の長さによって、外国為替取引は直物為替(spot exch […]
これまでにも記載していますが、為替の初心者が始めて取引をするのであれば
まずはドル円を取引することをお勧めしています。
理由は2つありますが、1つ目は日本で生活している人にとって
日本の経済・政治情勢などを理解するのは他国よりも簡単で
円が買われるのか、売られるのかを判断しやすいでしょう。
2つ目は、ドル円はユーロドルに続いて流動性があることです。
流動性があるとは、取引されている量があるという意味ですので
売りたい・買いたいと思った場合はすぐに手が出しやすい状況です。
対ドルが取引の中心というわけではない
では、ドル円以外の通貨を取引する場合に注意することは何でしょうか?
それは、「対ドル以外の動きを見ないで、取引をやってはいけない」ということです。
もっとも、ユーロドルに関しては、上述のように一番流動性があることで
ユーロドル単体での取り引きをやっても大丈夫でしょう。
ただし、他の通貨は対ドルだけの動きを見ていてはいけません。
その要因としては、欧州ではほぼ対ユーロでの取引が主になっているからです。
ポンドの取り引きで多いのは、ポンド対ドルではなく、ポンド対ユーロです。
また、スイスフランもドル対スイスフランではなく、ユーロ対スイスフランです。
他にもノルウェークローネ、スウェーデンクローナまども対ドルではなく、対ユーロが取引の中心なのです。
余談ですが、ユーロという通貨が出来る前は、ドイツマルクが取引の中心で
マルク対(フランス)フレンチ、マルク対(オランダ)ギルダー、マルク対(スペイン)ペセタ
など対ドルではなく、対マルクが取引の主になっていました。
オセアニア通貨も対ドルだけではダメ!
欧州通貨の動きは対ユーロが中心になっているように、オセアニア通貨も対ドルだけを見ていては行けません。
オセアニアの2大大国の豪ドルとNZドルのクロスの動きを見ていないといけないわけです。
特に動意づくのは両国の経済指標が強弱に分かれた時です。
6月中旬ニュージーランドから1‐3月期の国内総生産(GDP)が発表され
豪州からは5月の雇用統計が発表されました。
結果はNZのGDPはマイナスとなり、テクニカルリセッション入り
豪州の雇用統計は失業率、新規雇用者、常勤雇用者すべて強い結果になりました。
この結果を受けて豪ドル/NZドルが急上昇を辿っています。
日本で為替をやっていると、ドル円が中心になるのは全くかまわないでしょう。
しかし、もしドル円以外の通貨を取引するのであれば、対ドル以外の動きにも目を通す必要があります。
もし、その余裕がないのであれば、その通貨を取引するには時期尚早で
取り引き自体をやってはいけないでしょう。
本記事は2023年6月26日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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