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ボラティリティは価格変動幅のこと
ボラティリティは、ある一定期間の価格変動幅を指します。1日のボラティリティよりも、1年間のボラティリティの方が一般的に大きいであろうことは直観的に理解できるかと思います。
それでは、価格変動が起こるメカニズムを簡単に解説していきます。
ボラティリティ(価格変動幅)はどのように生じるのか
平常時の為替取引
ドルを買ったり売ったりの取引は、以下のようにそれぞれの取引に対応した「価格と量」が銀行等の資金の出し手(=流動性の供給者)によって準備されます。「そんなに高い値段なら買わない!」「そんなに安い値段では売らない!」という市場参加者の判断によってドル買いとドル売りの価格が調整され、ちょうど良いところに落ち着きます。
買いたい人と売りたい人が同じくらいの割合で、特にマーケットにサプライズもない場合、価格は動かずに同じあたりで微変動します。または、買いと売りのバランスが多少崩れたとしても量が十分に用意されていれば、価格はあまり動かず微変動となります。
では、例えばドルを買いたい人が急激に増えた場合はどうなるでしょうか?
通貨需給急変時の為替取引
以下のように準備されていた量があっという間に売り切れ、量の補充も間に合わず、買い手もいつまでもドル買いを要求するような場合、価格はどんどん上がります。
価格が急激に上がった結果、今度は「そんなにいい値段ならドルを売りたい!!」と売り側が勢いを取り戻せば、価格は大きく反転して下がります。つまりこのようなメカニズムが、価格変動の大きな要因となり、ボラティリティが高い状況(=価格変動が強い状況)が生まれます。
ボラティリティの計算方法には幾つかパターンがあります。一定期間内の高値と安値の差をボラティリティと呼ぶ場合もありますし、統計でいう標準偏差をボラティリティと呼ぶ場合もあります。
ただし一貫して言えるのは『ボラティリティは価格変動幅』であり、『ボラティリティが高い/低い』もしくは『強い/弱い』のように表現されるということです。
ヒストリカルボラティリティとインプライドボラティリティ
価格変動幅を指すボラティリティには2種類あります。
● ヒストリカルボラティリティ:今の時点より過去の価格変動幅から計算されるもの
● インプライドボラティリティ:今の時点より将来想定される価格変動幅から計算されるもの
金融商品の中には、先物やオプション、為替予約のように将来の取引を対象としたものがあります。例えば将来的に強いドル買いが懸念される場合、今のうちに安くドルを買っておこう!ということで「将来取引を対象とした金融商品の価格がどんどん上がっていく」事象が生じます。この将来の金融商品の価格変動幅のことをインプライドボラティリティと呼びます。
VIX=恐怖指数
VIXは、Volatility IndeX(ボラティリティインデックス)の略で、将来の株価指数の価格変動幅を取り出した指標、つまりインプライドボラティリティの一つです。既に説明した通り、多くの市場参加者が将来の強い株価変動を予期して前もって将来に向けた取引に動く場合、VIXは高くなります。これが、VIXが恐怖指数とも呼ばれる要因です。
VIXは0~100の間のパーセンテージで表され、多くの場合は10~20%の間で変動しています。大きく数値が変わるのは市場参加者が株価に対し不安を持っている時で、一般的に30%を超えると警戒と考えられています。
高いボラティリティは悪か?
取引で利益を得ようとしている市場参加者にとっては、価格変動こそが利益の源泉ですので、ボラティリティが高い状況はけっして悪くありません。
一方、市場がどのような状況であっても利益も損失も一定に抑えた安定性を求める市場参加者にとっては、特にインプライドボラティリティが高い状況は望ましくありません。
ドル円のインプライドボラティリティは多くの市場参加者の将来見込がどうなのか?を確認するのに有益ですので、今後TRADOMにおいても確認いただけるように開発を進めています。
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