フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組合せた造語で、銀行や証券、保険などの金融分野に、IT技術を組合せる […]
トレーダムはどんなコミュニティか
浦島:
昨今の為替相場市場の変動を見ても明らかなように、為替がビジネスに与える影響は非常に大きい。
それにもかかわらず、海外取引のある企業の経営者や実務担当者にとっても為替変動に対して適切な対策を打つことは決して容易ではありません。
日本企業が海外で戦っていくためにとても重要な課題なのに、適切な情報が不足しているというだけで非常に不利な戦いを強いられてる会社を実際に目にします。
TRADOM(トレーダム)は、そのような企業に対して、信頼性の高い様々なコンテンツや直接的な対話を通じてサポートをしていきたいという気持ちで立ち上げました。
阪根:
僕もまさに同じ思いです。
少し付け加えると、為替の変動というのが、貿易企業をはじめとする海外取引を行う会社にとっては、その果たす役割の大きさの割に、そこに対処するために経営者が十分に時間を取れないとか、学べる場所が少ないとか、世の中にFX為替の情報自体は溢れているんだけれども、ほとんどがFXのデイトレーダー向けの情報であって、企業の経営者や財務責任者の方々が知りたい情報が適切にまとまっている場所が存在しない現実があります。
これまでは、独学あるいは銀行の外国為替部門の方に直接教えてもらいながら、なんとか取り組んできたという企業は少なくないと思います。
トレーダムは、貿易為替のリスクコントロールについて、しっかりと体系的に学べて、そして、信頼性の高い適切な情報のみをキャッチできる場を目指しています。
テクノロジーの進化による『為替テック』の現状
阪根:
テクノロジーの進化によって、それまでインターバンクの中でしか取引がされてなかったカバー取引や、金融商品であるスポット、フォワード、オプション取引といったものが、 インターネットバンキング、インターネット証券、インターネットのFXなどと言われるように、オンラインで容易にアクセスができるようになったことは大きいと思います。
また、データサイエンスが急激に発展してきていて、例えば、為替予約やリスクコントロールについて、データに基づいた提案ができるようになってきました。
浦島:
まさにその通りで、1996年に日本版の金融ビッグバン開始、97年の外国為替法改正で外為業務が自由化されると、2002年以降、リテールなどのスモールビジネス向けにFXの取引が法律上しやすくなりました。
2005年に金融先物取引法が改正(2007年に金融商品取引法に統合)され、金融庁がFX取引業者を管理することになり、少しずつFXが世の中に比較的受け入れられる状況になりました。
そのFXを為替リスクヘッジの一つのツールにした商品として、技術的なベースができたのがおそらく2010年ぐらい。ただ、当初はFXに対するネガティブな印象があったのも事実です。
2005年以前は法律上の位置づけが明確にされていなかったため、詐欺まがいな取引が横行し、犯罪につながる事件が大きく報道されました。
2005年に金融庁が省庁横断的に一括で管理することとなり、2010年に「信託保全の義務化」「ロスカット制度」「レバレッジ規制」などが定められるなど少しずつルールが整備されて、この20年ぐらいでようやく金融商品として認知される環境が整ってきました。
今の暗号資産を取り巻く一連の流れは、FXが通ってきたことをなんかそのままなぞっているような雰囲気がありますね。
トレーダムの特徴
浦島:
トレーダムの提供価値の一つである、ジーフィットの開発チームが開発したデータサイエンスに基づく中期相場予測ツール「トレーダムのAIトレンド予測」は、他では得られないインサイトの一つです。
データに基づいて、きちんと検証できるもので、外部に対しても説明できるようになっています。リアルタイム性が上がることで、時間のずれによる通貨価値変動のリスクを下げることができます。
阪根:
インターネットバンキングの視点で見ると、特にここ数年で、個人でも法人でも、預金残高の確認や振込・送金などについては、デジタル化が相当に進みました。銀行の窓口に行かなければならないという世界からはガラッと変わったんだけれど、融資や外国為替も含めて、インターネットバンキングの進化の余地はまだまだあると思います。
近年、国際送金の分野でイノベーションが起きていますが、外国為替という時間の概念も含めた、為替テックはまだまだこれからというステージです。
僕たちが取り組んでいる為替テックの多くは、相場の未来を予測するという事のみに依存しない、企業が最適な為替リスクをコントロールをするためのデータサイエンスやテクノロジーです。
企業の中には受発注データや売上仕入れ計画など多くのデータがあります。それらの貴重なデータを活用し、最適な為替リスクコントロール手段を導くのも重要なテーマです。
未来の相場予測においてもデータに基づく未来予測という側面もありますが、為替に影響を与えるファンダメンタルズ、いわゆる世界の動向やセンチメントによる影響といったものは、現段階においては、データサイエンスの力だけでは片付けられない。
長い歴史と知見の中で、それぞれ思想を持って技術を磨いていくものなので、トレーダムでも、アナリストの方々からのインサイトを非常に重視しています。
トレーダムではそれらアナリストのインサイトにデータサイエンスからのインプットを付加して為替相場の今や未来についての情報を提供するのみならず、データに基づく適切な為替コントロールの在り方についても幅広く情報提供していきます。
トレーダムが目指していること
阪根:
私自身も過去に貿易をしていた会社を経営した経験から、いかにこの分野で情報やスキルを高めるための場がないかというのは常に感じていました。
海外取引をしている企業の経営者の方々にお話を聞くと 、為替に関して他社がどう対処しているのか、どんなサービスを金融機関から提供されているのかといった情報を知り得る機会がなく、非常にクローズドなマーケットであるということが分かってきました。
トレーダムでは、さまざまな企業の事例紹介や、企業間の交流、最新テクノロジーの紹介なども行える場を作っていきたいですね。
浦島:
僕も同感です。トレーダムのコミュニティに参加することで、専門家からのある意味で一方的な情報を取り入れるだけではなく、お互いにあのアナリストはああ言ってるけど、僕たちはこう思うよね、こんなテクノロジーを活用して為替リスクコントロールを実施したら結果がこうだった、というような対話ができるのは有益だと思っています。
阪根:
為替テックに携わる私たちは世界経済を俯瞰して見るようなシーンが多いことから、よく世間でも言われる通り、日本ではイノベーションがなかなか起こっていないと感じます。
人口も減っていく日本が、今後経済的にもしっかりと世界で地位を保つもしくはさらに高めるためには、グローバル市場への挑戦は大きな鍵となるでしょう。
海外に挑戦するという視点で見た時の大きな壁の1つが、やはりこの為替問題。リスクコントロールについて課題を感じている企業に対して、我々もお手伝いできたらいいなと思っています。
浦島:
日本の中で素晴らしいサービスが出てきても、海外に挑戦するときに、為替の部分で不利な状態で取引されると、安定して収益を確保することが非常に難しい。
海外にチャレンジすることで、さまざまな学びが生まれ、さらにイノベーションが出てきて強くなるというようなサイクルが作れるのではないかと思っています。
そのエコシステムを構築していくための一助になればうれしいですね。
関連記事
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!