目次Executive Summary1.先週の為替相場の振り返り=ドル円、米7月利上げ打ち止め観測とYCC修正期待で急落2.主な要人発言3 […]
<テクニカル分析判断>
●短・中期:上昇トレンド再開本格化へ向け上値模索も、分厚い上値抵抗ゾーンに直面
10/14週は「寄付149.13:148.83~150.30:終値149.49(前週比+0.36円の円安」の推移となり、2週前の超大陽線をフォローする展開が続いた。これで小幅ながらも3週連続の陽線を形成(上図)し、今次下落トレンドの収束がより明確になり「上昇トレンド再開に向けた動きが本格化」しつつあることが改めて示唆された。また、2週前の7.35円から前週の2.24円と大幅に縮小した週間レンジは、先週1.47円と我々の想定を遥かに下回る格好で縮小を継続。これはここ2週連続で指摘したように<相場の水準がかなり上昇したことによって、下落/上昇の両圧力が再び拮抗し始める>との想定が顕現化したものと考えられる。
なお、10/7付レポートの当欄でも<「今次下落トレンドの収束(底入れ)」を強く示唆する要因>を解説したが、 (上図で提示した)「2週前の超大陽線をフォローする展開」のポイントは以下の通り。
◎底打ち確認後、順調な上昇トレンドへと移行した「①」と今次「②」との相似点
◇直近の下落トレンドライン(➊・➌)を「大陽線で上抜けた翌週に、小幅ながらも陽線を続けて上昇トレンドへの転換途上」であることを示唆した点
◇①②共に一気に21週MAの回復までは到らなかったものの、上値抵抗線である「21週MA▲2.16%」を(終値で)2週連続で上回った点(②では同3週目に延長)
◇足型だけでなく、RSIやストキャスティクスも「底打ち⇒上昇局面に転換」した本年初以来の水準へ反発し、底入れを強く示唆している点(上図下部の赤い〇表示部分)
=>>>これらをもって<「中期下落トレンド」の終束 ⇒「上昇トレンド」への移行プロセス入り>との判断に到っている
■ただし、依然下降中であり接近してくる52週MAや21週MAは相応の上値抵抗線になると見られ、150~152円という大きな節目の突破には相応の抵抗が予想される
⇒(実際、先週は52週MAを1日だけ突破も終値でクリアすることは出来なかった)
=>>> この52週MAと21週MAは来月早々にもデッドクロスの予定(後掲にて詳述)
当然ながら<「中期下落トレンド」の終束⇒「上昇トレンド」への移行プロセス入り>の状況は、上図の短期時間軸での日足チャートでもより鮮明に窺える。以下そのポイント。
◎9/16以降、概ね上昇トレンドライン沿って上昇し「上値抵抗線と思われた21日MA」や「非常に強い上値抵抗だった52日MA」を突破し、その後も順調に水準を切り上げて「直近1年で最も力強い上昇軌道」を辿っている(右の赤い上昇カプセル)
◎それに伴い、ストキャスティクスやRSIは9/16の底打ち⇒明確な上昇軌道(高止まり)を維持
◎また「21日MAが明確に・200日MAが極めて緩慢ながらも“上昇”」に転じたのに続き、先週から「52日MAも“上昇”」に転じた
=>>> 短・中・超全てのMAが上昇に転じた(テクニカルな地合いは更に強固に)
=>>> また、10/14には想定通り「21日MAと52日MAはゴールデンクロス」を実現
< ⇔ >
■一方で、3週前が想定を大幅に上回る急上昇だったため「ストキャスティクスの水準」や「21日MA+4.32%ラインとの価格差」には『上昇の過熱』の兆候が窺えたものの、この状況は、ここ2週間の保合い推移によってやや緩和した
■150円という大きな節目の突破が視野に入る中で、過去の推移から想定される上値抵抗線(149.85)や更に強力な上値抵抗帯(150.80~151.95:図中薄い灰色の帯)が迫りつつある
以上から導き出された<今週のテクニカル分析の結論>は以下の通り
□ここ3週で、今次下落トレンド内での「底打ち」をより明確に確認
=>>>再び140円割れに向けた「下値模索」の動きが本格化するリスクは大きく後退
□それに伴い「上昇トレンド」への移行(転換)プロセス入りも顕現化の度合いが向上
■一方、150円という大きな節目の突破が視野に入る中で、過去の推移から想定される「強力な上値抵抗帯(150~152円)」が立ちはだかりつつある
□引き続き「過度に予断を持つことなく」変化の兆しを見落とさぬ姿勢を継続した上で、終値が以下の水準を「突破or維持」できるかどうかに注目
⑤ 148.68円=21週MA▲1.23%
>>> 相場の水準がかなり上昇したことによって、下落/上昇の両圧力が再び拮抗していることから「市場変動率は縮小傾向にあるものの、ある程度の水準は維持する」と予想
~以下では『短期・中期・長期の方向性』についての分析ポイント及び各時間軸での想定レンジをご案内します。(今号の分析は2024/10/18のNY市場終値をベースに実施) ~
<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>
➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド、52MA & 200MA」、RSI等
短期(1週間~1か月)の方向性:ペースを落としつつも上昇プロセスへの移行が徐々に進展
〇上図は直上を半年間に短縮し当該期間の推移を拡大したもの。コメントは既掲のものをご参照下さい
◎「今次下落トレンドの底入れ」⇒ 上昇プロセスへの移行が一段と鮮明に
◎一方で、150円という大きな節目の突破が視野に入る中で、過去の推移から想定される「強力な上値抵抗帯(150~152円)」が立ちはだかりつつある
=>>>下方リスクは大幅に後退も、一段の上昇には相応の抵抗が想定される
>>> 想定レンジ=今週:148.05~150.75、今後1ヶ月:145.20~153.45=
➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSI等
中期(1か月~半年程度)の方向性:「上昇トレンド」への移行が巡航速度で進展中
◇上図は冒頭掲載の15ヶ月分を2.5年分に延長したもの。コメントは既掲もご参照下さい
◆◎◆既掲への追加ポイント
1)2022年秋との相対比較において下落サイクルの持続期間/値幅には未充足感が若干あったが、ここ3週の反発によって今次下落サイクルは「12週/22.35円の下落」をもって完全に収束を確認
2)RSIやストキャスティクスは底打ちの兆候が明確化し22年秋のトレンド反転に類似してきた
□以上より<「上昇トレンド」への移行プロセス入り>との判断に到った
■ただし、依然下降中であり接近してくる52週MAや21週MAは相応の上値抵抗線となる可能性が高い
=>>> また、この52週MAと21週MAは来月早々にもデッドクロスの予定
◇但し、図中にもある通り週足(中期時間軸)でのデッドクロスは「底打ち⇒上昇への転換」の契機となる場合が多く「下落圧力の加速」を意味するとは言えない
◇図中デッドクロスの「2023/3/20週」は、<130円割れで当時の底打ち後、11月にかけて“150円台への大上昇相場”の起点>に位置しており、11月初のデッドクロスは<むしろ「その後の上昇加速」の契機>となる可能性すらある
>>>今後6か月間の想定レンジ = 144.45~156.45⇒145.20~157.05=
➌月足チャート:「20MA±18.0%のバンド」「60MA±30.0%のバンド」、RSIを付記
長期(半年超~1年程度)の方向性:「20ヶ月MAは下抜け」も、トレンド反転回避の可能性向上
■7・8月に続き9月も陰線となり、想定通り「3ヶ月連続陰線、20ヶ月MAを下抜け」が示現
□しかし、10月初からの反発でRSIやストキャスティクスといったオシレータ系指標には底入れの兆候が出始めている上に、20ヶ月MA(現在147.20円)超の水準を即座に回復
⇒2022年の「3カ月連続陰線後の長大陽線」と同様に「今月、長大陽線を形成して20ヶ月MA超の水準回復」なるかが注目される
>>> 今後1年間の想定レンジ = 144.45~162.00 ⇒145.20~162.60 =
<ファンダメンタルズ分析判断>
◇米国:経済指標はマチマチ ⇒ 金利は横ばいも、株式は続伸し最高値更新
◇日本:小幅円安⇒長短共に金利は上昇、海外高にもかかわらず株式は反落
◇USD円:「ハイペース」は後退も利下げ期待自体は存続 ⇒USD円は強含み
◇米債利回り:タカ派寄りのFRB高官発言・中東情勢緊迫化を受け「米高速利下げ期待」は引き続き後退も、主要経済指標はマチマチで「金利は概ね弱含み横ばい」
> 2年債利回り:10/11 3.953% ⇒ 10/18 3.950%(前週比 ▲0.003%低下)
>10年債利回り:10/11 4.096% ⇒ 10/18 4.083%(前週比 ▲0.013%低下)
=>10年-2年の利回り差は「+0.133%と前週(+0.143%)比で僅かに縮小(下図)
:10年債利回りは7月最終週以来の4%台を維持も、順イールド幅はほぼ横ばい
前半の<テクニカル分析>では「(想定以上に大幅な反発を見せた)3週前の動きをフォローする展開が継続した」ことを指摘した上で、以下のように先週とほぼ同様の結論としました。
1)3週前に「今次下落トレンドの底入れを確認」、その後の2週でその確実性が一段と高揚
2)上記1)を受け「地合いの強さと(底入れから)上昇プロセスへの移行/転換」がより鮮明になった
3)一方、節目の150円超を模索する展開が視野に入ってきたものの、3週前の上昇がかなり急速だったことや相場の水準自体もかなり上昇しているため「今後の上値トライには相応の抵抗」が想定される
他方<ファンダメンタルズ分析>においても、先週も、上記の<テクニカル分析>と同様に「3週前の動きをフォローする意味合いが強かった」との認識を継続しています。即ち「(労働市場の悪化に端を発した)過度な『米景気減速(⇒景気後退)に対する懸念』の後退がさらに進展した」ということですが、後述するように「引締め過ぎの修正」との意味で利下げ自体に対する期待は存続しています。 上記と対応させるなら、以下をポイントとして挙げられるでしょう。
1)’事前の市場予想を上回った米主要経済指標:「米景気の底堅さ」を示唆
=>>>「米9月小売売上高(前月比):結果 +0.4%、予想+0.3%」
「同 (除く自動車):結果+0.5%、予想+0.1%」
=>>>「米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数:結果 +10.3、予想+3.0」
=>>>「米新規失業保険申請件数(前週分):結果24.1万件、予想26.0万件」
< ⇔ >
1)”事前の市場予想を下回った米主要経済指標:「米景気の先行き懸念」を示唆
=>>>「米10月ニューヨーク連銀製造業景気指数 : 結果▲11.9、予想+3.9」(極めて不芳)
2)’FRB高官のタカ派的発言
=>>>「利下げペースについてはより慎重に進める必要がある」・「労働市場は依然としてかなり健全」(ウォラーFRB理事)
=>>>「インフレ率がFRBの目標とする2%を上回って停滞することがないよう、利下げには忍耐強く対応する」(アトランタ連銀ボスティック総裁)
>>以上より「FF金利先物市場:FRBが11月のFOMCで0.25%の利下げ決定する確率は90.4%。一方で、金利据え置きを決定する確率は9.6%。0.5%の利下げ確率は0%。」(前週とほぼ変わらず)
=>>>「過度な『米景気減速(⇒景気後退)に対する懸念』の後退は進展」(2週前までの“高速利下げ期待”の後退も続いている)
3)’FRB金融政策の方向性
=>>>利下げの最終着地点(ターミナルレート)は、3.1%台(2026年1月時点)と以前の2.8%台(2026年6月)から上方に修正
⇒『小幅の利下げでソフトランディングが達成できる』との見方への変化?
=>>>一方で、「11月FOMCでの0.5%利下げ」確率は消滅も「0.25%利下げ」はほぼ確実であり、(例えそのペースが緩慢であった場合でも)「米国の金融政策は(金融緩和とまではいえなくても)“利下げ(≒引締めの修正)”方向にある」
⇒更に「ソフトランディング or ノーランディング」期待が増加
以上のポイントから、ここ数週間で「金融資本市場のリスク選好機運の高まり」はかなり勢いが増してきています。欧米を中心に見られる株価指数の最高値更新や大きく反落した主要通貨に対するUSD指数の持ち直しが進展しているのも、こうした流れの顕現化の一つと言えるのではないでしょうか。
(主要6通貨に対するUSD指数:先週は+0.6%で3週連騰。これで10月は約+2.7%と、2023年2月以来の大幅な月間上昇率を記録中)
さて、既述の通り引き続きFRB高官からは「タカ派的なトーンの発言」が多いようですが、10/26からのブラックアウト(金融政策について発言できない)期間を前に「(今週は)FRB高官の発言ラッシュ」が予想されます。一方、今週に限っては経済指標には大きく注目を集めるものは希薄であり、FRB高官の発言がより注目される1週間となるかもしれません。
とはいえ、既述の金利先物市場のデータが示唆するように「利下げサイクルに大きく影響を及ぼすほどではない」との見方から、やはり市場の今後の注目は米国の景気動向(データ)やイベントに大きくシフトしつつあるのだと考えられます。
その意味で、(先週も指摘した通り)11/6-7のFOMCの前には『11/1に10月雇用統計の発表』と『11/5に大統領選挙』という、いやが上にも市場の注目が集まるイベントが予定されています。いずれもどう転ぶか全く予断を許さないイベントですし、『FRBの利下げペースや利下げ幅については、今後発表される雇用・物価指標次第で大きく変わる可能性がある』ことを前提に臨むべきだと考えています。
実はこの週末、ある読者の方からご質問を頂戴しました。ポイントは次の二つだと理解しています。
➊本邦の衆院選及び米大統領選の結果に対する見解
➋それを受けての日米株式市場の今後の予想
正直に申し上げると「大変恐縮ですが、全く判りません」としかお答えできません。
これまでも、繰り返し主張してきましたが、米国の大統領選挙を巡っては『その結果を前提に、更にその後の金融市場を予測する』ことには大きな抵抗があります。その大きな理由は以下の2点。
◆両大統領候補のどちらが当選するのか、結果は“本当に”判らない
◆いずれが勝っても、両候補が現在掲げている政策が実現する可能性はいずれもかなり不透明
端的に言えば「“不透明の二乗”的な見通しにあまり意味はない」と考えるということでしょうか。
(その意味で「本邦の衆院選」についても同様のスタンスです)
継続的に当レポートをお読み頂いている読者の方々ならご理解頂けると思いますが、我々はここ数か月「分析・予測を行う際には、以下の基本スタンスを貫いてきた」と自負しています。
それは<「過度に予断を持つことなく」変化の兆しを見落とさぬ姿勢を継続 >ということ。
このスタンスを基に9/30付レポートの当欄では以下のようにまとめています。
<9/18のFOMCにかけて盛り上がっていた「米労働市場の悪化懸念 ⇒米景気後退懸念(& 2%に向けたインフレ鈍化期待) ⇒FRBによる高速利下げ期待」(我々は、これを“過度な織り込み”と判断)が徐々に沈静化しつつあると考えられます。>
また、3週前にも同様の主旨の発言を繰り返されていましたが、<パウエル議長はFOMC後の記者会見で『今回の0.5%を“新たな利下げペース”と見做すべきではない』と、市場が期待していた“大幅かつ速いペースでの利下げ”期待を牽制しました。依然として根強いこの金融市場の“高速利下げ期待”に、“データ次第”を標榜するFRBがどう対応するのかを注目しています。>
そして実際に、2週前の9月雇用統計によって、市場の“過度な織り込み”の巻き戻しが顕現化することになったわけです。
また、先週も「テクニカル分析の結論とファンダメンタルズ分析は同じベクトルを持ち始めている」と指摘しましたが、この結果として生まれる「リスク選好機運の高まり」は「グローバルな株式市場やUSD円の上昇に直結する要因」となってゆくと考えています。
こうした状況を踏まえて、あえて既述➊➋のご質問にお答えするとすれば…
(直接的な回答ではなく、申し訳ありませんが)以下をイメージしています。
◎米大統領選においてはいずれが勝利しても、拡張的財政政策の下で米国の「ソフトランディング or ノーランディング」の可能性は高い
=>>>「金融資本市場のリスク選好機運の高まり」も継続する可能性が高い
一方で、我々は非常に良好に見える米国株式市場にも相応の波乱リスクを感じ始めています。
それは、NYダウやS&P5000が最高値を更新する中で『VIX指数が下げ渋っている』ことです。
“恐怖指数”とも呼ばれるVIX指数は一般的に「投資家の不安心理を表す」とされています。
VIX指数は(通常は)株価の調整局面では上昇する一方、株価の上昇局面では低下する傾向があります。
しかしながら、米国の主要株価が最高値を更新中であるにもかかわらず、足許のVIX指数の水準は先週末時点で18ポイントと、今年1月初から7月中旬に相場が乱高下する前までの平均値13ポイント台の水準から5ポイントも切り上がったままの状態が継続しているのです。
この背景について、偶々本日読んだ一つの基金の総幹事(りそな銀行)のレポートには以下のようにまとめてあり、首肯できる部分が多々ありました。
<VIX指数が高止まりしている背景には、
①米国景気減速に対する懸念、②大統領選挙を巡る不透明感、③高いPERなどによる高値警戒感、
などがあるとみられる。>
<②の大統領選については2週間後には(混乱なく決着するとの前提で)クリアになる要因だが、①の米景気減速に対する懸念が解消されるためには、良好な景気指標がこの先相当の期間で相次ぐことが必要であろう。>
<また、③高値警戒感が解消される為には、企業収益が期待に沿って伸びを続けるかが焦点となる。>
<投資家の不安が現実となり、①米景気の減速感が強まる、③企業収益の伸びが期待に沿わず、株価が調整することで割高感が解消される といった展開も想定される。>
<VIX指数の高止まりは、高値波乱のシグナルとして念頭に置いておく必要がありそうだ。>
『好事魔多し』との諺もある通り“絶好調”と思われる時にこそ潜在的なリスクは増幅するものです。
頂戴した質問の回答(?)とした<◎米大統領選においてはいずれが勝利しても、拡張的財政政策の下で米国の「ソフトランディング or ノーランディング」の可能性は高い=>>>「金融資本市場のリスク選好機運の高まり」も継続する可能性が高い>も、ある意味で「過度な予断」に該当するのかもしれませんね。自戒を込めて再認識したいと思います。
当レポートの連載開始当初から『超長期のUSD円の見通しはUSD高円安』としており、その主たる要因は「日米間に厳然と存在する圧倒的な実質金利差」・「東日本大震災以降激変した国際収支構造(≒恒常的な外貨不足)」としてきました。(TRADOMコンテンツ「為替の歴史(前/後編)」もご参照)
ただし、相場ですからより短いサイクルでの振幅は必ず起こるものです。 その観点から、現状忘れてはならないのは『ペースは鈍化しようとも“米国の金融政策は緩和(利下げ)”方向』にあり、『(同じく)ペースは緩慢であっても“日本の金融政策は正常化(利上げ)”方向』にあるということ。現状の圧倒的な金利差は、多少縮小することはあっても劇的な変化は期待出来ませんが、USD円相場の上昇(円安)の速度を緩和させる要因にはなり得ます。
また、『米国政策金利の低下』が前提となって、我々が重要視している『主要通貨に対するUSD指数は依然として持ち直しのペースが急上昇はせず、若干ながら抑圧気味の推移が継続』している状態です。USD円は需給関係からUSD指数とは別の展開となる可能性はあるものの、今後本格的に上昇するためにはやはりUSD指数の上昇が望まれるところであり、その状況に到るにはまだ相応の時間が必要だと考えられます。
お知らせ:米国を中心とする「世界のインフレ・景気・金融政策」の現状分析、並びに短期を中心としたUSD円相場見通しについては、トレーダム(※)為替アンバサダーでもある安田佐和子氏のレポート(Weekly Report等)に詳細かつ非常に解りやすく解説されています。TRADOM会員の方々はサイト内で是非ご参照下さい。
<(※):ジーフィット株式会社は10/1より「トレーダム株式会社/TRADOM Inc.」に社名が変わりました。>
関連記事
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!