テクニカル分析判断 先週は「寄付133.86:131.55~135.11:終値131.82(前週末比▲3.27円の円高)」の推移となり、昨年 […]
1. 通貨スワップとは
通貨スワップとは、デリバティブの代表的取引である金利スワップ取引のうち、交換されるキャッシュフローの通貨が異なるタイプのものを指します。(「為替スワップ」との混同には注意が必要です。為替スワップではスタート日とエンド日の元本の交換のみで、満期も1年までが中心です)
通貨スワップも、通常の金利スワップ同様に満期まで定期的に金利の交換を行いますが、交換される金利の組み合わせには、①変動/変動 ②変動/固定 ③固定/固定の3種類があります。
通貨スワップのうち、最も多く取引されているクロスカレンシーベーシススワップ(CCBS)は、2つの異なる通貨の変動金利を満期まで定期的に交換し、また取引スタート時点と満期時点でそれぞれ元本の交換を行います。
米ドルと日本円のクロスカレンシーベーシススワップでは、一般的に変動金利として米ドルにはSOFR、日本円にはTONAが採用され、満期まで3ヶ月ごとに金利が交換されます。またスタート日とエンド日に元本が交換されると共に、3ヶ月ごとに元本が値洗いされてリセットされます。
2. 通貨スワップの利用目的
ドル円クロスカレンシーベーシススワップは、主に日本国内の金融機関が米ドルを調達するための手段として利用されています。米ドル調達を必要とする金融機関は、スタート日に米ドル元本を受け取り、日本円元本を取引相手に支払います。そして満期まで3ヶ月ごとに米ドル金利を支払い、日本円金利を受け取り、そしてエンド日にはドル元本を支払い、円元本を受け取って取引が終了します。
現在のように日本国内の金融機関(銀行、保険会社など)が米国市場に多額の資金を投資している状況では、通貨スワップは特に長期的な資金の調達手段として非常に重要です。クロスカレンシーベーシススワップのキャッシュフローを見ていただくとわかる通り、米ドル調達サイドは、変動金利での米ドル借入を行うと同時に、変動金利での日本円貸出を行っているのと実質的に同じです。
米国債の金利が日本国債の金利より高い場合でも、為替リスクをヘッジする場合には金利差によるヘッジコストの影響で、本来はどちらに投資した場合のリターンも同じになるはずです。しかし、特に金融危機以降は日本国内の投資家による米ドル調達ニーズの高まりから、ヘッジコストが日米金利差で説明できる以上の水準まで上昇しています。
通貨スワップ取引の場合、この影響は米ドル変動金利に上乗せ金利が適用されるという形で現れます。この上乗せ金利はベーシス(通貨ベーシス)と呼ばれ、マーケットでの米ドル調達ニーズが現在どの程度なのかが反映されていると考えることができます。
3. まとめ
通貨スワップは、特に長期において効率的な資金調達を行う際に重要となります。そのため、企業の財務担当者は、少しでも有利な条件で資本調達できるように為替動向の分析に加え、このようなデリバティブの利用を検討することになります。
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